『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』和製イルミネーション映画

たべっ子どうぶつ THE MOVIE(2025)

監督:竹清仁
出演:松田元太、水上恒司、髙石あかり、藤森慎吾etc

評価:70点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

あらゆるものは映画化されるわけで、潜水艦ゲームはもちろん、どうぶつの森やシルバニアファミリーも映画化されているのだからお菓子の「たべっ子どうぶつ」が映画化されるのは何ら不思議ではない。だが、それにしたって、この気合いの入り方はなんだ?と思うほどに創作の情熱が滾りに滾ったキメラであった。

『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』あらすじ

1978年の発売開始から世代を超えて愛され続けるギンビス社の動物型ビスケット「たべっ子どうぶつ」を3DCGアニメーション映画化。

おかしと人間が仲良く暮らすスイーツランドでは、歌って踊るスーパーアイドル「たべっ子どうぶつ」が大人気。しかし、この世の全てのおかしを排除して世界征服をもくろむ凶悪な「わたあめ軍団」に、ぺがさすちゃんが囚われてしまう。かわいいだけが取り柄で戦闘力ゼロのたべっ子どうぶつたちは、大切な仲間を助けてスイーツランドを救うべく立ちあがるが……。

アイドルグループ「Travis Japan」の松田元太がたべっ子どうぶつたちのリーダー・らいおんくんの声で主演を務め、ぞうくんの声を水上恒司、映画オリジナルキャラクター・ぺがさすちゃんの声を髙石あかり、たべっ子どうぶつたちと行動をともにする人間の女の子・ペロの声を大野りりあなが演じる。アニメ映画「放課後ミッドナイターズ」の竹清仁が監督を務め、俳優・脚本家の池田テツヒロが脚本、「ソニック・ザ・ムービー」のCGを手がけたマーザ・アニメーションプラネットがアニメーション制作を担当。

映画.comより引用

和製イルミネーション映画

アイドルとして活躍する「たべっ子どうぶつ」のライブから始まる。日本ではヴァーチャルライブコンテンツが盛んにつくられていることもあり、躍動感ある会場の盛り上がり演出となっているのだが、ここで思わぬ発見がある。モブの人間造形がピクサーやイルミネーションに近いのだ。本格的に海外3Dアニメをやろうとしているのだ。

そのこだわりは、島の中心に聳え立つ城からも感じられる。ゴシック建築なのだ。一見すると、島なのにゴシック建築?とは思うのだが、都市化し密集した空間に対し憩いの場として高さを持ったゴシック建築が建てられ、それは宗教的統治の目的も担っていたことを考えると妥当といえる。そして「たべっ子どうぶつ」に登場するゴシック建築は緻密にリブヴォールトやフライングバットレスを配置し、一切手を抜くことなく空間を作り上げているのだ。ネタ映画として舐めた作りにしない点で好感が持てる。

映画は確かにイルミネーション映画クオリティなので、終盤の展開には粗はあるし、なんならその状態では「たべっ子どうぶつ」死んだんじゃないの?と思う一方で、ギミックを組み合わせることにより絶望的な展開を乗り越えていく爽快さはお見事といったものがある。

お菓子アベンジャーズならぬ「おかしーず」の世界を広げるには、ぽたぽた焼のばあちゃんが参加すると熱いよなと思ったのであった。
※映画.comより画像引用