『Bluish』彷徨う思索の外部化としてのヴァーチャル空間

Bluish(2024)

監督:ミレーナ・チェルノフスキー、リリス・クラクスナー
出演:レオニー・ブランバーガー、ナターシャ・ゴンチャロワ

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

FILM COMMENTの未配給ベスト2024に選出された作品を観た。

FILM COMMENTの未配給ベスト2024
1.ノー・アザー・ランド 故郷は他にない(バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾール)
2.孤独の午後(アルベール・セラ)
3.ダイレクト・アクション(ギヨーム・カイヨー、ベン・ラッセル)
4.ぺぺ(ネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアス)
5.Scénarios + Exposé du film annonce du film “Scénario”(ジャン=リュック・ゴダール)
6.exergue – on documenta 14(Dimitris Athyridis) 
7.Cloud クラウド(黒沢清)
8.Bluish(ミレーナ・チェルノフスキー、リリス・クラクスナー)
9.My Undesirable Friends: Part I – Last Air in Moscow(Julia Loktev)
10.Lázaro at Night(ニコラス・ペレーダ)

『Bluish』あらすじ

Two women move through their day in an urban environment, physically present yet emotionally isolated, transmitting the tense unfolding of young adulthood.
訳:2 人の女性が都会の環境で、物理的には存在しながらも感情的には孤立した状態で一日を過ごし、緊張した若者の展開を伝えます。

IMDbより引用

彷徨う思索の外部化としてのヴァーチャル空間

本作は写真集のようなテイストとなっており、アンニュイな女性の心理を捉えようと青みかかった画で表現している。

アンニュイな思索の放浪を描いているのだが、その放浪は物理的な場に留まらずGoogle Mapsや青きヴァーチャル空間だったりする。物理的にそこにいないが仮想的にそこにいる様の視覚化として効果的であり、その効果を最大限引き出す為に睡眠アプリで微睡む場面では黒画面となる。

ミニマルだが強固な映像理論に基づく傑作であった。

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