『テープ』リチャード・リンクレイターの会話劇

テープ(2001)
Tape

監督:リチャード・リンクレイター
出演:イーサン・ホーク、ロバート・ショーン・レナード、ユマ・サーマンetc

評価:60点

リチャード・リンクレイター『ヒットマン』が面白かったので、過去作を観ることにした。彼はロトスコープアニメから『スクール・オブ・ロック』のようなメジャー作品まで多作なのだが、今回は登場人物が3人しかいない会話劇となっている。演劇的なものをホームビデオカメラで生っぽく撮った作品だ。ある意味、リチャード・リンクレイターがドグマ映画を撮ったような作品である。

『テープ』あらすじ

あるモーテルの一室。オークランドで消防士をしているが本業はドラッグディーラーのヴィンセント(イーサン・ホーク)のもとに、自主映画監督ジョン(ロバート・ショーン・レナード)がやってくる。ヴィンセントは、彼のトラウマになっている高校時代のある出来事を持ち出し、ジョンを困惑させる。それはヴィンセントの元恋人であるエイミー(ユマ・サーマン)を、ジョンがレイプした事件だった。そこに、ヴィンセントの誘いに応じて、地方検事補としてのキャリアを磨いてきたエイミーが現われる。しかし彼女は、別にジョンにレイプされたとは思っていなかった。緊迫する3人の関係。やがてエイミーは、ここにレイプ犯がいると警察に通報。それで慌てたヴィンセントはドラッグをトイレに流してしまうが、その通報は芝居。そしてエイミーは冷やかな態度で、部屋を出ていくのだった。

映画.comより引用

リチャード・リンクレイターの会話劇
映画はヤクの売人と映画監督の会話から始まる。売人はすでにベロベロに酔っており、ヤクも吸っているようだ。モーテルの中をはしゃぎ回っている。そこへ、友人でもある映画監督が現れる。売人は、消防士という冴えない仕事をしながらヤクを売り捌いているのだが、それを映画監督が呆れて諭そうとする。そんな中、一本の小さなテープを巡って対立し、そこへ女が現れる。

映画監督は彼女に「かつてレイプした」と謝罪をするのだが、彼女はレイプされた自覚がない。こうして、映画は記憶と記録の狭間を巡っていく。

リチャード・リンクレイターはジョン・カサヴェテスを意識したのであろう、自然体の会話をメインとした物語進行を行う。その中で、テープを引き延ばしたようなカットが挿入され、映画的世界に迷い込む。これにより真実の曖昧さを描こうとしているように見える。しかしながら、いかんせん、会話が退屈すぎて、あまり面白くなかった。
※映画.comより画像引用

created by Rinker
アミューズソフト