【アンディ・ウォーホル特集】『ブロウ・ジョブ』フレームの外側の開発者ウォーホル

ブロウ・ジョブ(1963)
BLOW JOB

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ラドゥ・ジューデ論を書くにあたって、彼がお気に入りの映画として挙げているアンディ・ウォーホルの『ブロウ・ジョブ』を観る必要があり、DVDBOXを取り出して観た。実は10年前に特集で観ているのだが、本作は単品で観るより『キス』と併せて観ないとあまり意味のない作品であった。

『ブロウ・ジョブ』あらすじ

Andy Warhol directs a single 35-minute shot of a man’s face to capture his facial expressions as he receives the sexual act depicted in the title.
訳:アンディ・ウォーホルは、タイトルに描かれている性行為を受ける男の表情を35分のワンショットで撮影している。

IMDbり引用

フレームの外側の開発者ウォーホル

オリヴィエ・アサイヤスは「映画に(反)対して」の中で映画の発明者としてのウォーホルについて論じていた。実際に『キス』では映画を構成する要素である人間によるアクションを抽出していた。対して『ブロウ・ジョブ』は映画におけるフレームの外側にフォーカスを当てている。タイトル通り、フェラチオされている男性を描いている。しかし、イチモツは一度もスクリーンに映らない。痛み、快感など複雑な感情を負荷ベル男の顔だけが投影されており、観客はフレームの外側をイメージすることが求められている。映画は画の連続であるが、我々は画に映っているものだけではなく、映らぬものへも凝視を向ける。そんな映画の本質をウォーホルは捉えたのである。