『ヴァタ 箱あるいは体』日本人が撮ったマダガスカル映画

ヴァタ 箱あるいは体(2022)

監督:亀井岳
出演:フィ、ラドゥ、アルバン、オンジェニ、レマニンジ、サミー

評価:60点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ユーロスペースでマダガスカル映画が上映されていると聞きつけ行ってきた。

『ヴァタ 箱あるいは体』あらすじ

「ギターマダガスカル」の亀井岳監督が、音楽によって祖先と交わってきたマダガスカルの死生観をもとに、全編マダガスカルロケで撮りあげたロードムービー。

亡くなった人物の遺骨を、同郷の者が故郷へ持ち帰るしきたりのあるマダガスカル南東部の村。タンテリとザカ、スル、離れ小屋の親父の4人は、出稼ぎ先で亡くなったタンテリの姉ニリナの遺骨を取りに行くよう村の長老に命じられる。片道2、3日の距離にある村を目指し、それぞれ楽器を手に旅に出た彼らは、その道中で、出稼ぎに行ったまま消息不明になった家族を捜して旅するルカンガの名手レマニンジと出会う。

「ギターマダガスカル」に出演したミュージシャン・トミノの一族の3人がタンテリ、ザカ、スルを演じ、離れ小屋の親父役にはバンド「タリカ・サミー」のサミー、レマニンジ役にはマダカスカルの各地方を代表するミュージシャンで結成された「Ny Maragasy ORKESTRA」のメンバーに選出されたアンタンルイ族のレマニンジを起用。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2022で長編部門の観客賞を受賞。

映画.comより引用

日本人が撮ったマダガスカル映画

本作は全編マダガスカル語(?)で描かれた作品で、日本人が撮っているにもかかわらず、それを伏せたら分からないほどのアフリカマジックリアリズム映画の風格を持っていた。

自然の音が強調される、草の音、豆の音といった日常の音を掬いあげ、段々と人間的な音楽が生まれてくる。遺骨を受け取りに行く過程で、人々は儀式を行いトランス状態になっていく。日本では味わえないような文化に触れられた貴重な機会であった。

個人的には、たばこ売りのおじちゃんの売り方が寅さんに近いものを感じた。
※映画.comより画像引用