『Eureka』西部劇の時間は続くよどこまでも

Eureka(2023)

監督:リサンドロ・アロンソ
出演:ラフィ・ピッツ、ルイサ・クルーズ、ヴィゴ・モーテンセン、キアラ・マストロヤンニetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

アルゼンチン映画が最近熱いので、『約束の地』のリサンドロ・アロンソ新作『Eureka』を観てみることにした。かなり異色な作品であった。

『Eureka』あらすじ

A cowboy arrives in a village in search of his daughter, a native policewoman arrests various offenders in a snowy landscape, while her niece, a basketball coach, reunites with her grandfather for a decisive journey that will shape her future.
訳:娘を探しに村にやってきたカウボーイ、雪景色の中でさまざまな犯罪者を逮捕する先住民の婦人警官、そしてバスケットボールのコーチを務める姪は祖父と再会し、彼女の将来を形作る決定的な旅に出る。

MUBIより引用

西部劇の時間は続くよどこまでも

娘を探しにカウボーイが荒野を彷徨う。とある街にやってきた彼は、淡々と血生臭く人を殺していく。やがて、敵を特定し部屋に押し入るのだが、娘に銃を突きつけられる。肝心な対峙の場面で、画はニュースに切り替わる。テレビドラマであることが分かるのだ。この部屋には女性警察官がおり、彼女は人手の足りない地区の見回りに駆り出される。西部劇で流れるゆっくりじっとりとした時間が現代でも蔓延っていることが象徴的に描かれ、双方の物語における緊迫感が共有される。そして物語は第三部でマジックリアリズム的森の空間を捉えだす。

全く異なる3つのジャンルを、類似の時間の流れを共有させながら描く異色作。第一部の西部劇パートが最高で、銃弾一発の重みを強調するスタイリッシュな銃撃戦が印象的であった。

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