【東京国際映画祭】『曖昧な楽園』曖昧な地獄

曖昧な楽園(2023)

監督:小辻陽平
出演:奥津裕也、リー正敏、矢島康美、内藤春、トム・キラン、高橋信二朗、竹下かおり、文ノ綾、新井秀幸、三森麻美etc

評価:0点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

第36回東京国際映画祭コンペティションに選出された日本映画。今年の日本映画枠は新鋭を世界に紹介する意味合いが強いのか、聞いたことない監督の作品が複数選出されていた。その中の一本『曖昧な楽園』を観たのだが、これが約3時間の地獄であった。

『曖昧な楽園』あらすじ

交通量調査員として働く達也(奥津裕也)は、身体の不自由になってきた母(矢島康美)と、一軒家で二人暮らしをしている。夜毎、母からのトイレを報せる呼び出しブザーが鳴り、日常的な介助に応じている達也。行き交う人々の数をかぞえて記録するばかりの仕事にも、カプセルホテルで過ごす夜にも、どこにも居場所を見出せずにいる。クラゲ(リー正敏)は、顔見知りだった独居老人(トム・キラン)の部屋へ毎日のように通い、植物状態の老人の世話をしている。だが、老人の住む団地は老朽化によりもうすぐ取り壊されようとしていた。ある日、久しぶりに再会した幼馴染の雨(内藤春)を老人の部屋に案内するクラゲ。ささやかな交流を深めていくなかで、団地の取り壊し期日は迫っていく。やがてクラゲと雨は、老人を連れてバンで旅に出るが……。それぞれの抱える家族についてたどる旅の物語。

Filmarksより画像引用

曖昧な地獄

交通調査を行うニートパートと介護を行う人のパートに分かれており、セリフは極度に押さえられ、短いカットを繋いでいく。閉塞感を空間で表現するためにセリフを絞っているように思えたのだが、介護パートではチルな音楽をバックに光る球を投げ合うよく分からない描写が挿入されるようになる。二つのパートはアンバランスな関係性となっていき、途中からニートパートは希薄となる。介護パートにおいてロードムービーが始まるがあっさりと終わってしまう。これは数年前に東京国際映画祭で物議を醸した『クレーン・ランタン』枠ではないのか?

思いついたイメージをただつなげただけの作品。たちが悪いことにそれは3時間続く。あまりの酷さ……もとい訳の分からなさにゲンナリしてしまった。
※映画.comより画像引用