【MUBI】『SOLLERS POINT』実際の『レッド・ロケット』

SOLLERS POINT(2017)

監督:マシュー・ポーターフィールド
出演:マッコール・ロンバーディ、ジェームズ・ベルーシ、トム・グイリー、サジ・ビーツ、マリン・アイルランドetc

評価:40点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

ジョン・ウォーターズが2018年の映画ベストに選んでいた『SOLLERS POINT』がMUBIに来ていたので観た。『レッド・ロケット』の現実って感じの作品であった。

ジョン・ウォーターズ映画ベスト2018

1.ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期(ブリュノ・デュモン)
2.アメリカン・アニマルズ(バート・レイトン)
3.Nico, 1988(Susanna Nicchiarelli)
4.マッド・ダディ(ブライアン・テイラー)
5.ブラインドスポッティング(カルロス・ロペス・エストラーダ)
6.THE GREEN FOG(ガイ・マディン)
7.ジュリアン(グザヴィエ・ルグラン)
8.SOLLERS POINT(Matthew Porterfield)
9.LET IT FALL: LOS ANGELES 1982–1992(John Ridley)
10.PERMANENT GREEN LIGHT(Dennis Cooper, Zac Farley)

『SOLLERS POINT』あらすじ

Keith is newly released from prison and living with his father under house arrest in Baltimore. Despite his good intentions, Keith struggles to establish himself within a community scarred by unemployment, neglect, and segregation, finding that he may be reverting to his old ways.
訳:刑務所から出所したばかりのキースは、ボルチモアで父親と軟禁生活を送っている。彼の善意とは裏腹に、キースは失業、ネグレクト、隔離によって傷ついたコミュニティの中で自分自身を確立しようと奮闘し、自分が昔のやり方に戻りつつあることに気づく。

※MUBIより引用

実際の『レッド・ロケット』

レッド・ロケット』の主人公は、再起をかけて地方都市で職を探した。たとえ、次々と不採用通知を食らってもポジティブに自由を謳歌しながら、必要に応じて他者を踏み台にしていった。その自由の悪魔像はアメリカ社会を象徴している様に感じた。しかし、実際のところ人々はそんなに自由を謳歌できないし、謳歌しようとしても過去という不自由さが足枷となってしまう。そんな現実に歩み寄った作品が本作だ。地方都市のどん詰まりな空気感の中、なんとか刑務所上がり新生活を確立しようとする。しかし、そう簡単に仕事は見つからないし、楽しいこともない。ひりついた大地をもがくしかない。その中で再び犯罪の道へと転がろうとするのだ。正直、このレベルの閉塞感ものは割と展開が予想できてしまい、それを超えられたかというと微妙な作品である。しかしながら、終盤の高架下に車ごと沈みゆく謎の水場によって強調される閉塞感描写に惹き込まれた。窒息しそうな空気感を映画ならではの特殊な空間で生み出す。こういう場面を映画でたくさん観たいものである。

※MUBIより画像引用