DANCE PARTY,USA(2006)
監督:アーロン・カッツ
出演:Anna Kavan,Cole Pensinger,ナタリー・ブラーetc
評価:65点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
新しい会社で働き始めた。通勤時間が90分ぐらいあるので、MUBIで日本未公開映画を掘るチャンスが増えた。マンブルコアの代表作『DANCE PARTY,USA』を観た。これがなかなかの問題作であった。
『DANCE PARTY,USA』あらすじ
Jessica and Gus are two apathetic teenagers, drifting aimlessly from one day to the next until they meet each other at a 4th of July party. As they watch the fireworks, Gus says he’s not the sort of guy Jessica thinks he is. Their fleeting connection changes when he tells Jessica a dark secret.
訳:ジェシカとガスは無気力なティーンエイジャーで、7月4日のパーティーで知り合うまで、毎日を漫然と過ごしていた。花火を見ながら、ガスはジェシカが思っているような男ではないと言う。彼がジェシカに暗い秘密を打ち明けたとき、ふたりの儚いつながりは変わる。
コミュ障男の一方的な押し付け
アンニュイな男女の猥談をひたすら追った作品。ドキュメンタリータッチで、生々しい若者パーティーでの話を切り取った本作だが、時折バキバキに決まったショットを挿入してくるので油断ならない。例えば、逆光の中、女性が歩いてくる様子や肩越しに被写体を捉えていく様子、打ち上げ花火を無音で捉えた後に手持ち花火を音ありで捉えていく対比などといったクールな描写がある。さて、映画は基本的に童貞臭漂う男が気持ち悪い間合いで女性に近づき話していく様子を追っていく。どうやら彼は彼女に好意を抱いているようだ。そしてこともあろうことか、過去の女性の話を延々と話し始めるのだ。しかも、レイプした話で「僕は悪い男ではない」といい始めるのだ。トークデッキとして最悪なのに、親密さが生まれる。しかし、彼女からヨシヨシされるわけでも結ばれるわけでもない。この珍妙なストーリーテリングはなんだろうか?
恐らく、フィクションにおける男の痛みを癒す存在としての女性像を解体しようとしているのではないだろうか?拒絶も受容もせず、一定の距離を置いたままの空間が形成される。これは我々の日常でもよくあることでしょう。今後の付き合いを考えて距離感を保ち続けるような。ヴィジュアルのゆるさに対して内容がハードすぎるアンバランスさに賛否は分かれるだろうが、視点自体は鋭いものを感じた。
※MUBIより画像引用