『ピーナッツくん Walk Through the Stars Tour Final』感想

『ピーナッツくん Walk Through the Stars Tour Final』感想

2022年3月から本格的にVTuberを追う中で、ピーナッツくんを知った。彼は個人勢VTuberであり、相方甲賀流忍者!ぽんぽこさんと活動をしている。ピーナッツくんが凄いところは、アニメーションを作り、そのキャラクターに応じて瞬時にセルフボイチェンを行ったり、高度なヒップホップ楽曲を作ったりするところにある。甲賀流忍者!ぽんぽこさんの凄まじい行動力もあり、二人は企業勢並みの大型企画を次々と打ち出している。一番有名なのは、「ぽんぽこ24」だろう。ぽんぽこさんと24時間ぶっ通しでコラボを行うこの企画は、個人勢だけではなく、にじさんじ、ホロライブ、ななしいんくと企業勢を周知し、さらにはダ・ヴィンチ・恐山さんのようにVの肉体を持っていないような方も参加している。

さて、そんなピーナッツくんが昨年ワンマンライブを行った。それが「Walk Through the Stars Tour」である。渋谷O-EASTで観たライブは、2D/3D/実写を巧みに切り替えた斬新なパフォーマンスとなっており、私の心を鷲掴みにした。本ツアー最終日にはヴァーチャルライブが行われたのだが、それがなんとAmazon Prime Videoで見放題配信となっていた。しかも、本作は配信を記念して全国の映画館でもイベント上映されたとのこと。個人勢が到達できるレベルじゃないほどの活躍っぷりに衝撃を受けた。

せっかくなので仕事終わりに観てみた。

仮想空間は、定義さえすれば現実の物理法則を無視することができる。それを利用し、「幽体離脱 (feat. チャンチョ & ぽんぽこ)」では肉体と精神が分離しながら歌い踊る。ステージが遊園地に変わり、宇宙へと放り出される。鏡の中に入るといった、物理世界では難しい表現で会場を盛り上げていく。遊び心もあり、ケンタッキーフライドチキンの美味さを豪語する「KFC」では、チャンチョやデニムくんなどといったハリボテパネルが出現し、その裏にピーナッツくんが隠れることで、瞬時ボイチェン芸を披露している。最後には、目に横線が入ったカーネル・サンダースまで登場する芸の細かさに圧倒される。

また、「SuperChat」に入る導入で、本公演オリジナルのラップを披露する。プレッシャーから守りなトークを始めるので、少し彼のメンタルを心配するが、バッチリ鋭利なリリックを刻んでおり、そこからの狂ったYouTube文化批評を行う「SuperChat」が最高であった。

自分もVTuberとして少し活動しているだけに、ピーナッツくん、もといぽこピーの凄まじさは尊敬である。