【U-NEXT】『ロビンソンの庭』私たちの楽園は廃墟だった

ロビンソンの庭(1987)

監督:山本政志
出演:太田久美子、町田康、上野裕子、CHEEBO etc

評価:95点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

U-NEXTでは、今まで入手困難だった作品が多数配信されている。そのため、じっくり探すと宝の山なプラットフォームなのだ。先日、Twitterで『ロビンソンの庭』があると聞いて、探してみたら本作だけでなく『水の声を聞く』、『てなもんやコネクション』、『リムジンドライブ』など山本政志監督作がたくさん配信されていた。今回は、ここ数年探していた作品『ロビンソンの庭』を観ることにした。

『ロビンソンの庭』あらすじ

「闇のカーニバル」などの鬼才・山本政志監督が、1987年に発表した劇場映画デビュー作。終末感と生命力の対比を幻想的な映像と力強い音楽、個性あふれるキャストによって描き、ロカルノ国際映画祭審査員特別賞、ベルリン国際映画祭ZITTY賞など世界各地の映画祭で評価された。流れ者たちの吹き溜まりのような外国人ハウスに暮らしながら、日銭を稼ぐ日々を送るクミ。そんなある日、緑の生い茂る廃墟に迷い込んだ彼女は、奇妙な懐かしさを抱き、そこに移り住む。それ以来、昼は畑を耕し、夜は星を眺めるというロビンソン・クルーソーのような生活を送り始めるが……。「闇のカーニバル」でも主演を務めた太田久美子と、後に作家として芥川賞を受賞する町田康を中心に、ハードコアパンクバンド「GIZM」の横山SAKEVIや「JAGATARA(じゃがたら)」のOTO、江戸アケミら個性的なキャストが集結。ジム・ジャームッシュ監督作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」のトム・ディッチロが撮影を担当したほか、後に名匠として知られるようになる平山秀幸が助監督、諏訪敦彦が演出補として参加している。2019年7月にHDリマスター版でリバイバル公開。

映画.comより引用

私たちの楽園は廃墟だった

ある日本家屋の朝を横移動で捉える。外国人が朝食を取ろうとしている。そこへ、女の人が乱入。朝食を奪おうとする。勝手に目玉焼きに醤油を垂らす。「今日はついている」と語る女に対して「Bad Day(なんて日だ)」と外国人は語る。言語は違えど、真逆のことを言っているけれども、どこか楽園のような空間が広がっている。

かと思えば、突然陸上競技場へと場面が転換し、札束が入ったバトンを渡す者、ドラッグが詰められているのだろうか、ぺろぺろ何かを舐めながら走る者が映し出される。『脳天パラダイス』同様、山本政志の思いついたイメージの爆発が2時間に渡って描かれるのである。その演出のひとつひとつが妙にカッコよく、惹き込まれる。例えば、女の人が廃墟を走る。すると粉が舞う。この異様にカッコいい決定的瞬間が唐突に現れ圧倒されていると、女が戻ってきて再度粉を撒き散らかすサービスをやってのけるのだ。

話としては、中盤に動き始める。廃墟のような空間をカラフルに彩り、楽園を構築するも、少女が皿を破壊したことから対立が生まれ、楽園が崩壊していくのだ。今まで、ひとつの運動をもとに楽園が共有されてきたが、それに亀裂が入ることで一気に気づかなかった廃墟の側面に気付かされ、それが内なる虚無を呼び起こし混乱を生む。自分が信じていた現実の崩壊の儚さが、サイケデリックな描写の美しさもあって悲しくなるのである。

山本政志の世界観大好きである。

※映画.comより画像引用

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