『夜は千の眼を持つ』みえます、みえます、あなたは事故で死にます

夜は千の眼を持つ(1947)
NIGHT HAS A THOUSAND EYES

監督:ジョン・ファロー
出演:エドワード・G・ロビンソン、ゲイル・ラッセル、ジョン・ランド、ヴァージニア・ブルース、ルース・ローマンetc

評価:75点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

Amazon Prime Videoにはジュネス企画系の作品がたくさん配信されている。作品を漁っていたら、エドワード・G・ロビンソン主演の面白そうな作品『夜は千の眼を持つ』を見つけました。

『夜は千の眼を持つ』あらすじ

奇術師のトライトンは透視術を演じているうちに、本当に未来が予感できるようになった。そのために周囲の人間が次々に不幸になるのに耐えられなくなった彼は身を隠すのだが、遂には災難が自らの身にふりかかることになる。神秘めいた趣向、クライマックスでのトリックが見どころか。

Amazon Prime Videoより引用

みえます、みえます、あなたは事故で死にます

夜のプラットフォーム、男は女の影を追う。そして、飛び降り自殺する寸前で彼女を止める。彼は未来予知ができ、経緯を語り始める。奇術師としてツアーを行いながら小銭を稼いでいるトライトン(エドワード・G・ロビンソン)。彼のパフォーマンスは、観客から紙を集め、それを基に、家庭事情をピタリと当て、カウンセラーのようにアドバイスをし心を癒すことだった。しかし、パフォーマンス中に焦り始める。そして、すぐに家に帰るように指示を出す。それ以降、定期的に彼の脳裏にヴィジョンが浮かぶようになる。最初はまぐれかと思っていたが、子どもが交通事故に遭うヴィジョン、競馬での順位が次々と当たっていき自分の能力に気付かされる。周囲は、その特殊能力を活かそうとアドバイスする。しかし、今までハッタリでやってきた男にとって、そのハッタリが特殊能力となってしまうことは不気味でしょうがない。やがて、妻であるジェニー(バージニア・ブルース)は予言通り死んだ。悲しみに暮れる彼は闇に紛れて暮らすようになるが、何年か後、娘、そして仲間に死亡フラグが立ち、どうにか止めようとする。

奇術師の要素を抜くと、ライトノベルにありそうな内容で、見えてしまった死亡フラグをなんとかして回避しようと奮闘する姿に切なさを覚える。なんといっても本作は、エドワード・G・ロビンソンの演技が素晴らしく。突然、死のヴィジョンが見え、顔面蒼白になっていく姿は、本当にヤバいものを見てしまっているように感じさせられる。また、序盤の奇術場面では、彼の語りが空間を支配しており、映画を観ている方もスペクタクルに没入しているような感覚となる。

掘り出し物のエンターテイメント作品であった。これはリメイクされてもおかしくない作品である。

※MUBIより画像引用