【 #死ぬまでに観たい映画1001本 】『恥』この世の終わりってこんな感じなんだ

恥(1966)
SKAMMEN

監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー、リヴ・ウルマン、グンナール・ビョルンストランド、ブリジッタ・ヴァルベルグ、ハンス・アルフレッドソン、ベント・エクルンドetc

評価:80点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

「死ぬまでに観たい映画1001本」掲載のイングマール・ベルイマン映画『恥』を観ました。ベルイマン映画は幾つか残しているのですが、これがまた強烈な作品でありました。

『恥』あらすじ

元バイオリにストのヤーンとエーヴァは戦争を避けて街の中心地から離れた小島で静かに暮らしていた。しかし、内戦が激化し、敵軍が島へ浸入してきたことで戦禍を被る。気が付けば両陣営が2人の家に乱入し平和な生活はすっかり破壊されてしまう。凄惨な争いを目の当たりにしたことでヤーンとエーヴァも変わってしまっていた……。

※Amazonより引用

この世の終わりってこんな感じなんだ

戦禍を避けて小島に暮らす男女。しかし、戦車の姿が島に見え始め、やがて飛行機が飛び交い、二人は不安にかられていく。本作は地味な物語でありながらもベルイマンの強烈な画によって観る者を恐怖のどん底へと突き落とす。冒頭から不穏な音が流れるのは、もちろん、爆撃が始まると家の中が発光し始める。男は銃を持って、鶏を撃つが至近距離で撃っているのに倒れない。かと思うと、軍人が島に入り込み、死が至近距離で魅せられる。爆撃は、白黒ながらも『地獄の黙示録』に匹敵するほど、あちこちで炸裂し、生存できる自信を失う。家の隅でうずくまるが、脱出しなければいけない。船で脱出するが、逃げ場がどこにあるのかは不明だ。大きな大きな海の空間を漂い、痛みを反芻しながらひたすら生へと渇望する。これは戦争という人類の「恥」に関する映画だ。ベルイマンの反戦映画であり、その主張の強さから『仮面/ペルソナ』、『野いちご』と比べると荒削りではあるが、それでも圧倒的力強い画に魅了された。この世の終わりを感じさせる映画なので、精神が落ち込んでいる時に観る映画ではないですがオススメです。

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※MUBIより画像引用

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