【死ぬまでに観たい映画1001本】『三つの人生とたった一つの死』ラウル・ルイス ザ・マジシャン

三つの人生とたった一つの死(1996)
TROIS VIES ET UNE SEULE MORT(1996)

監督:ラウル・ルイス
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アンナ・ガリエナ、
マリサ・パレデスetc

評価:80点

ラウル・ルイス、、、日本ではあまり知られていないチリ出身の監督。彼は100本近い作品を放った名監督だ。そう聞くと食指が動きにくい。日本で紹介されている作品の多くが、『ザ・特集上映』って感じの直訳、厳ついタイトルだったりする。

しかし、MUBIで彼の作品群を見たら、どれも面白そうなビジュアルをしているではありませんか!

今回は、『死ぬまでに観たい映画1001本』に収録されている『三つの人生とたった一つの死』を観た。これが面白かった。

『三つの人生とたった一つの死』あらすじ

ラウル・ルイスが放つ4つの話からなるオムニバス。二日酔いの男が、BARでおっさんに絡まれる話。突如、ホームレスにまで堕ちてしまった男の話などを世にも奇妙な物語方式でラジオパーソナリティが語っていくのだった…

ライル・ルイス版『世にも奇妙な物語』

一言でいうなれば、『世にも奇妙な物語』。タモリポジションのラジオパーソナリティが4つの小話をし、すべての話でマルチェロ・マストロヤンニが主演をやるという仕組みになっている。

1話目から、ラウル・ルイスの実験とユーモアの世界に魂が奪われる。

二日酔いの男が、向かいのBAR&雑貨屋で頭痛薬を買おうとすると、おっさんに絡まれる。そして、「私はとても孤独だ。金払うから、一緒に呑もうや」と強引に酒をかわそうとする。断りきれず、呑むことになるが、そのおっさんはなんと自分の妻とかつて結婚していたことが分かるのだ。そこから回想劇に入るのだが、まるでホドロフスキー映画のようなヴィジュアルの洪水が押し寄せる。トランスフォームする部屋、床に街の風景が映し出され、逆回しで忙しなく動く人を捉える。マネキンチャレンジといったトリッキーな技法で、リスナーの想像を形として捉えようとしている。

どの話も、ベタな寓話なのだが、強烈なキャラクターと一度観たら忘れられないイメージが、観る者の心に焼きつく。ラウル・ルイスは『見出された時』を観た時にも思ったが、映像魔術師だよね?

これは『死ぬまでに観たい映画1001本』掲載も納得な作品でした。

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