ザ・ウォー・ゲーム(1965)
THE WAR GAME
監督:ピーター・ワトキンス
出演:ミシェル・アスペル、ピーター・グラハム、キャシー・スタッフetc
評価:95点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
『死ぬまでに観たい映画1001本』に掲載されている『THE WAR GAME』を観た。本作は、『SF核戦争後の未来・スレッズ』と並ぶ核戦争シミュレーション映画の名作である。本作は、単に核戦争の恐怖をシミュレーションした作品ではなく、ポストコロナの生活にも繋がる重要な作品だと感じました。
『THE WAR GAME』あらすじ
A docudrama depicting a hypothetical nuclear attack on Britain.
訳:想定されるイギリスへの核攻撃を描いたドキュドラマ。
※IMDbより引用
核戦争の世界を見てみましょう
もしもソ連が英国に核を発射したらどうなるのか?東西冷戦で本格的に第三次世界大戦が勃発し、世界は滅亡するのではと不安が世界を包んだ1960年代。『博士の異常な愛情』、『未知への飛行』と並び、この傑作が製作された。核戦争に入りつつあるにもかかわらずのほほんとした市民が、次第に笑えない状況へと追いやられていく。国民の20%を疎開させることとなり、その優先順位から、18歳以上の男性は弾かれる。家族は少ない荷物持って全く知らない土地へ行かなくてはならないのだ。また、市民は核戦争に備えてシェルターを作るのを強いられるのだが、コストが高すぎてポンコツな土嚢を組むことしかできない。実写版『風が吹くとき』の強烈なインパクトに開いた口が塞がりません。一方、その頃はまだ核ミサイルというものが一般的に知れ渡っていなかったせいだろうか?核ミサイルがロケット花火程度の代物で、兵士たちが神に祈りながらミサイルを発射しようとしているのだ。
そして核爆発の勢いが白黒反転、激しいカメラワークで描かれる。
そんな本作が何故今にも繋がるのか?
それは経済的考察による。本ドキュメンタリーでは、国民の20%が疎開した場合、経済が完全に回復するまでに1年半~4年かかると考察されている。ということは全世界が危機に瀕しているコロナ禍でオリンピックするなどありえないという話だ。寧ろ、もう2016年リオデジャネイロオリンピック以降オリンピックはやってこないかも知れないと思わずにはいられないのだ。
そんな本作の日本知名度は極端に低いのだが、今こそ注目されて欲しい作品と言えよう。
P.S.何故かアイルランドは本作では全く無視されているため、アイルランドだけ核戦争に無傷と思わせる描写が多く、そこは大草原不可避でした。
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