ブルータル・ジャスティス(2018)
Dragged Across Concrete
監督:S・クレイグ・ザラー
出演:ジェニファー・カーペンター、メル・ギブソン、ローリー・ホールデン、ドン・ジョンソンetc
評価:80点
おはようございます、チェ・ブンブンです。最近、S・クレイグ・ザラーが話題になっている。済藤鉄腸さんやNOBODY編集部の人が注目しているB級映画監督だ。『デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー』や『トマホーク ガンマンvs食人族』といった俗な映画を作る監督なのだが、毎回130分を超えてくる異様に尺が長いことで有名なようだ。そして彼の新作『Dragged Across Concrete』は第40回ゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)にて『ジョーカー』や『ランボー5/ラスト・ブラッド』と並び《人命と公共財産軽視し過ぎで賞(Worst Reckless Disregard for Human Life and Public Property)》にノミネートされました。
ってことに実際に観てみました。
『ブルータル・ジャスティス』あらすじ
Once two overzealous cops get suspended from the force, they must delve into the criminal underworld to get their proper compensation.
訳:2人の熱心な刑事がチームから外されると、彼らは自分たちの報酬を得るために犯罪者の巣窟に潜入していく。
※IMDbより引用
鈍重は正義!?
《鈍重》、、、
通常、この言葉はネガティブな意味で使われる。しかし、S・クレイグ・ザラーの場合、それは唯一無二の個性として評価できる。
標的が窓を開けるのを待つ2人の刑事。敵が網階段をカンカンと昇る。フォーカスは、手すりのタバコに向けられる。ジリジリと動くタバコ。そして、地面に落ちると「ヨシッ!」と銃を構える。しかし、中々《時》はやってこない。相棒はかったるそうにコーヒーを飲み、ガムをくちゃつく。やがて、敵は外をジロリと確認し、窓から出てくる。死角から刑事は彼を捕まえる。
そうです、刑事の逮捕までの流れを丁寧に丁寧に描いていくのです。では、本作はリアリズムの映画なのか?現実的な逮捕劇から映画を見つめる作品なのか?
答えは《否》。刑事アクション映画が勢いだけで進むことを批判し、アクションにメリハリをつけることで新しい刑事アクション映画の可能性を見出した作品だ。雑貨屋や銀行に間抜けながらも颯爽と銃を持って現れ、無慈悲なまでに人を殺めていく様。無慈悲には無慈悲をと、車を挟んでこう着状態に陥ったところから、精密射撃、ガスグレネードを投げて敵をジックリ華麗に痛ぶっていく様は見応え抜群である。
殺しの美学に満ち溢れた作品とも言え、S・クレイグ・ザラーは今後追っておくべき監督だと感じました。
尚、本作はどうやら日本公開するようです。公開されたら、是非彼の殺しの美学を堪能してみてください。
※2020/08/28邦題『ブルータル・ジャスティス』で日本公開決まりました。
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