ファイアー・ウィル・カム(2019)
原題:O que arde
英題:Fire Will Come
監督:オリヴァ―・ラクセ
出演:アマドール・アリアス、ベネディクタ・サンチェス、Ivan Yañez etc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
東京国際映画祭で、今世界で密かに話題となっている新鋭オリヴァー・ラクセ監督の新作『ファイアー・ウィル・カム』を観ました。
『ファイアー・ウィル・カム』あらすじ
山火事を起こした罪で服役していた男が村に帰ってくる。母は温かく迎えるが、村人の目は厳しい。圧巻の映像美と少ないセリフで大自然の迫力と母の愛を描くヒューマン映像詩。各地の映画祭を席巻中。
※東京国際映画祭サイトより引用
業火は静かにやってくる
オリヴァー・ラクセ監督はここ数年チラホラ名を耳にする監督だ。遂に東京国際映画祭で紹介される時がきました。ガリシア移民である監督はパリで生まれ。バルセロナに移り住み映画の勉強をし、子どもと映画を一緒に作る様子を撮った『Todos vós sodes capitáns』でカンヌ国際映画祭FIPRESCI賞を受賞、『Mimosas』でもカンヌ国際映画祭批評家週間グランプリを受賞した。そんな監督の新作は山火事もの。
しかし、山火事からイメージされる激しいサバイバル劇はやってきません。Fireはなかなかwill comeしません。
放火の罪で逮捕された男が釈放される。彼は村八分状態で、村人からは忌避されている。それでも彼は慎ましく生きるのだ。川で立ち往生する牛を引っ張り、日々の家業に打ち込むのだ。そこへfireが静かにやってくるのです。本作はまさしくコントロールできない山火事のように、男という起爆剤を置いてそのまま放置する。そして、業火が自然鎮火するまで、物語も放置プレイする。そこから生まれる異質なドキュメンタリーの経路は『山の焚火』を思わせる滅多に観られない珍しさがあります。人々の営みを限りなく、ありのまま映し出す。人生が予測不能なように、山火事が予測不能なように、物語も即興的に描くのだ。実際に本作は、山火事が起きやすいガリシア地方を舞台に選び、実際の山火事の中で撮影された模様。
この奇妙な挑戦は、賛否が真っ二つに分かれ、日本でもダメな人はとことん火炎瓶を投げつける結果になりました。ブンブンも睡魔との闘いな作品だったのですが、個人的には面白かったです。
オリヴァー・ラクセの今後に期待な珍作でした。
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