山形ドキュメンタリー映画際2019注目ラインナップ

山形ドキュメンタリー映画際2019注目ラインナップ

今年は、釜山国際映画祭が飛行機消滅で行けなくなってしまったので、山形ドキュメンタリー映画際に行くことにしました。山形ドキュメンタリー映画際はワガドゥグ全アフリカ映画祭同様2年に1度開催される映画祭。アジア最大級のドキュメンタリー映画祭として昨年アカデミー賞公認映画祭に認定されました。過去には『エルサレム断章』や『鉄西区』、『光、ノスタルジア』に『ルート1』とドキュメンタリー映画ファン目から鱗ものの作品が紹介されました。

アカデミー賞公式映画祭に認定後、初のイベントとなる今回のラインナップみると、凄いこととなっていました。アッバス・キアロスタミの息子の作品や山形が発掘した巨匠・王兵の8時間ドキュメンタリー『死霊魂』、ダミアン・マニヴェルのロカルノ国際映画祭で監督賞を受賞した『イサドラの子どもたち』などが上映されます。そこで備忘録代わりに、観たい作品をリストアップしていこうと思います。

山形ドキュメンタリー映画際2019公式サイト

1.セノーテ(小田香)

タル・ベーラ監修のもとボスニア・ヘルツェゴビナの炭鉱を撮った『鉱』で注目された小田香監督作品。古代マヤの現世と黄泉を繋ぐ泉セノーテに関する作品。『鉱』を見逃しているものの、小田監督は注目する必要のある作家だと思っているので観たいところ。同時上映は非正規雇用の人々の食事を撮った『非正規家族』。

上映日時
・10/12 11:00
・10/14 16:40

2.理性(アナンド・パトワルダン)

本映画祭超大作枠。3時間半かけてインドのヒンドゥー・ナショナリズムの拡大と宗教的な対立を描いていく作品。監督のアナンド・パトワルダンは本祭の常連監督で『神の名のもとに』、『父、息子、聖なる戦い』では賞を獲っている。

上映日時
・10/12 13:00
・10/13 15:45

3.イサドラの子どもたち(ダミアン・マニヴェル)

パーク』や『泳ぎすぎた夜』で注目されているダミアン・マニヴェルがロカルノで監督賞を獲った最新作。ソロマザーという踊りと出会った4人の女性を追った作品とのこと。『パーク』で彼の作品の虜となったブンブンは1回しか上映されない本作に全力を注ぎたい。

上映日時
・10/12 19:20

4.エクソダス(バフマン・キアロスタミ)

イラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミの息子が故郷アフガニスタンへ帰るために出国管理施設に向かう様子やその周りの問題を綴った出イラン記。キアロスタミ特有の素朴さとはかけ離れたタッチのようですが果たして…

上映日時
・10/11 19:20
・10/13 11:00

5.別離(エクタ・ミッタル)

日本でも海外から来る出稼ぎ労働者が、あまりの劣悪な環境で失踪する事件が相次いでいますが、インドではどうなっているだろうか?インドの労働失踪問題を綴った作品。これは日本に住む者として観ておきたい。

上映日時
・10/13 13:00
・10/15 10:00

6.死霊魂(ワン・ビン)

今回の目玉にして、一番満席のリスクとの闘いとなっている作品。9時間、時には14時間で物語る怪物監督ワン・ビンが『鳳鳴 中国の記憶』『無言歌』に引き続き反右派闘争で粛清されゴビ砂漠に送られた者の苦しみを描く。なんと上映時間が8時間あり、途中休憩2回ある。ここを逃すと、日本で観ることが絶望的なので全力で席を取りたい。

上映日時
・10/12 10:00
・10/14 10:30

7.インディアナ州モンロヴィア(フレデリック・ワイズマン)

本映画祭もう一つの目玉『ニューヨーク公共図書館』で日本でも話題となったフレデリック・ワイズマン最新作にして、カイエ・デュ・シネマが満点をつけた作品。2016年のアメリカ大統領選でドナルド・トランプが勝利したことを受けて、ワイズマンは選挙の重要拠点であるインディアナ州モンロヴィアに張り込んだ。そこから見えて来るアメリカ社会の縮図を捉えたドキュメンタリー。ワイズマン作品は毎回上映時間が長いので、日本公開が平気で2年かかってしまう。また、ワイズマンの作品は配信もDVD化もなかなかされないので輸入で鑑賞することも難しい。それだけにここで押さえたいところ。

上映日時
・10/11 10:00
・10/15 15:45

8.サウナのあるところ(ヨーナス・バリヘル,ミカ・ホタカイネン)

本作は今週末からアップリンクで上映されるのですが、上映開場網羅的に訪れたいブンブンはソラリス会場で上映される本作に触れておきたい。フィンランドにとって切っても切り離せないサウナ文化を追ったドキュメンタリー。今回は山形市民会館前広場に出張サウナがやってきたり、サウナと映画という切り口でイベントが開催されている模様。日本では今サ道という言葉が出て来るほどサウナが流行している。ブンブンは実際にフィンランドのサウナに行ったことがあるだけに観たい作品です。

上映日時
・10/15 13:00

最後に

10枚チケットを購入したので、残りはその時の気分でふらっと入ろうと思います。山形ドキュメンタリー映画際は良くも悪くも当日チケット引き換え方式、自由席。東京の各映画祭のように、チケット販売システムのことを考えなくていいだけにその分作品選定に力をかけられたのでしょう。非常に魅力的なラインナップに今からワクワクしています。流石に3時間超えの作品を立ち見で観たくないのですが、体力の続く限り頑張ろうと思います。

どうやら夜には、映画関係者と呑むことができるイベントも開かれるようなので積極的に伺いたいと思います。

山形ドキュメンタリー映画際2019公式サイト

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