TOMMY/トミー(1975)
TOMMY
監督:ケン・ラッセル
出演:ロジャー・ダルトリー、エルトン・ジョン、キース・ムーン、ロバート・パウエル、ジャック・ニコルソン、ティナ・ターナー、エリック・クラプトン、ザ・フーetc
評価:95点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
この作品は私の青春であります。高校時代に『Tommy/トミー』の激しい色彩、ピンボールで教祖になるという異常なプロットに、テレビから豆の洪水が降り注ぎ、エリック・クラプトンがマリリン・モンロー教の長として儀式を施したりという唯一無二の世界観にノックアウトされ、ミュージカル映画にハマりました。
また、The Whoの曲は私のバイブルとして、『The Real Me』や『I’m free』は通学時間にヘヴィーローテーションしました。
『TOMMY/トミー』あらすじ
イギリスを代表するロックバンド「ザ・フー」が1969年にリリースしたアルバムで、ロック・オペラというジャンルを確立し、彼らの代表作となった名盤「トミー」を映像化した伝説的ロック映画。幼い頃に目撃した事件のショックで心を閉ざし、見ることも聞くことも話すこともできなくなったトミー。愛さえも理解できず、外界から遮断されたまま成長した彼は、青春期の混沌としたエネルギーをピンボールに叩きつけたことをきっかけに生まれ変わる。自由な世界へと解き放たれたトミーは、やがて奇跡の救世主へと祭り上げられていく。ザ・フーのメンバーをはじめ、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ティナ・ターナーらそうそうたる顔ぶれのミュージシャンたちが出演。さらに、ジャック・ニコルソン、アン=マーグレット、オリバー・リードら名優たちが歌と踊りを披露している。監督・脚本は「肉体の悪魔」「マーラー」の鬼才ケン・ラッセル。日本では76年に公開され、カルト的人気を集めた。19年8月にリバイバル公開。
※映画.comより引用
正真正銘のロックオペラ
ってことで人生3回目の鑑賞となったのでありますが、今回は割と冷静にプロットを終えたと思う。そして、The Whoの物語る力の凄さとケン・ラッセルの理解力の高さに感銘を受けました。
トリッキー過ぎる演出ながら、物語構造はオーソドックスな栄枯盛衰ものであり、伏線がしっかりと裏打ちされていることにより物語としての、いやオペラとしての重厚さがある。ミュージカル映画はオペレッタの延長であることは有名だが、オペレッタの基礎であるオペラを理解した上でやっているので確かにロックオペラと宣言できるものとなっているのです。
そして伏線は、例えばマリリン・モンロー教の儀式における教祖エリック・クラプトンとモブキャラに過ぎないトミーの関係性が、終盤のピンボール教の教祖トミーと怪我する少女の構造と合わせ鏡になっており、『イヴの総て』のような山の山頂から下界を覗いた時の不気味さをもっている。
また、何度もトミーが「See me, feel me, touch me, heal me」と囁いているのに誰も気づかない様子が、画面の煩さと共鳴することで「見えているのに見えていない」世界に説得力を持たせている。
そうです、本作はただイカした音楽をチャカチャカ鳴らしているだけではないのです。ストーリーも堅いのです。だからこそ、益々好きになりました。是非、アップリンクでこの興奮味わってみてください!
余談ですが、私はティナ・ターナーの『The Acid Queen』とエルトン・ジョンの『Pinball Wizard』シーンが大好きです。
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