サイレンサー第4弾/破壊部隊(1968)
THE WRECKING CREW
監督:フィル・カールソン
出演:ディーン・マーティン、エルケ・ソマー、シャロン・テートetc
評価:60点
おはようございます、チェ・ブンブンです。クエンティン・タランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』でシャロン・テートが映画館で延々と『サイレンサー第4弾/破壊部隊』を観る場面がありました。奇遇にもAmazon Primeビデオでレンタル配信していたので観てみました。
結末に触れているので一応ネタバレ記事です。
『サイレンサー第4弾/破壊部隊』あらすじ
50億ドルの金塊強奪事件を追って、諜報部員マット・ヘルムが大活躍。英国の美人スパイ(S・テート)と共に、陰謀をめぐらす伯爵と対決する。シリーズ最終作。
※Yahoo!映画より引用
酷すぎて大爆笑
本作は『ルパン三世 念力珍作戦』を彷彿させる茶番劇だ。いや、ひょっとすると『ルパン三世 念力珍作戦』よりも酷いし、叩かれがちな日本映画ですらしっかり作り込まれた作品であることがよく分かる。要は、金のかかった高校生文化祭といったところです。いきなり、金塊が強奪されるところから始まる。線路に車を置く陽動作戦で警備員を翻弄させ、列車の前方、後方屋根から悪の集団が金塊を盗むのだが、警備員が間抜けなほどに背中を魅せている。こうして金塊は盗まれてしまい、偉い人たちがウンウン悩むのだが、全くもって緊張感がありません。「このままじゃポンドやドルが暴落する!!」と言われても、全く現実味がありません。そして「底抜けコンビ」のディーン・マーティンが凄腕エージェントとして活躍するのだが、アクション演技が目も当てられない。足は身体が固い人並みに、90度くらいしか上がらず、子猫のじゃれ合いのように敵に飛び蹴りをかます。爆発が映画を盛り上げ、誤魔化そうとしているのですが、明らかにアクションが下手過ぎます。また、そこに歩くマネキン。服をバービー人形のように着せ替えて置くだけしか機能を果たしていないシャロン・テート演じるドジっ子デンマーク人がチラホラ登場するのだが、これがまた凄い。
ブルース・リー直伝の技を身につけた彼女とのアクションは、その足蹴りで敵が気絶するわけないだろうと思う程のしょうもなさで、これがクライマックスにいくほどに壊れていく。穴の空いた列車に落ちそうになる場面は、わざとらしい。
そして、黒幕を倒したディーン・マーティンとシャロン・テートは列車の中で合体するのだが、急ブレーキによって合体しながら空を舞うところで映画が終わってしまう。
60年代のなんでもあり、低クオリティだけれどもパワープレイで押し切ろうとする様は今観ると新鮮で愛くるしいものがあります。そしてタランティーノはこんなポンコツ映画を絶妙なスパイスでもって面白くサンプリングして魅せた。やっぱりタランティーノは素敵な方だなと思った。
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