ミシュカ(2002)
Mischka
監督:ジャン=フランソワ・ステヴナン
出演:ジャン=ポール・ルシヨン、ジャン=フランソワ・ステヴナン、ローナ・ハートナーetc
評価:40点
おはようございます、チェ・ブンブンです。
アンスティチュフランセ東京で開催された『ヴァカンス映画特集』にて、ジャン=フランソワ・ステヴナンの『ミシュカ』観てきました。とてつもなくヘンテコなロードムービーでした。
『ミシュカ』あらすじ
夏のヴァカンスが始まる頃、高速のサービスエリアでバスローブにスリッパの老人が家族に置き去りにされていた。ホスピスで老人を迎えた看護人のジェジェーヌは彼を“ミシュカ”(クマちゃん)と呼び、5年間、音信不通の娘を遺書に訪ねる旅に連れ出す。そこに、幼い弟レオや家出娘ジャンヌ、ジプシー・ロックのミュージシャン、ジョリ=クールが加わり、5人は海に向かって旅を続ける。トリュフォー、ゴダールやリヴェットの助監督、俳優としても有名なステヴナンの3本目の監督作品。
ステヴナンはその鋭敏な目と耳で世界を切り取る見者であり、大人の世界に子供たちが突然舞い込んでくるような現実の魔法のような瞬間を文句なくみせてくれる。
※アンスティチュフランセより引用
断続が奇妙に繋がるロードムービー
本作は、『ワンピース』などのジャンプ漫画に近い、旅を通じて段々と仲間が集まって来る型ロードムービーだ。そして個々のエピソードは分かりやすい。介護施設からの逃走、誘拐、そして突然乗り込むヒッピー。なんだけれども何故か飲み込みづらい。ちょっと何言っているのか分からない展開が目白押しとなっている。これはなんだろうなとと思っていたら、昨年観たモーリス・ピアラの『私たちは一緒に年を取ることはない』に近い演出技法だと言うことが分かる。本作にはアクションしかないのだ。
ロードムービーと言えば、点と点を結ぶ過程で変わる心情を描くのが定石となっている。現に旅人とは、点にいることが重要なのではなく、点に向かう過程で起きる一期一会のドラマにロマンを覚える生き物なのだから。しかし、本作は、点しか描かない。車に乗ったら、次の拠点にワープしているのだ。しかもそれが群像劇スタイルとなっており、ラストでアッセンブルする登場人物それぞれの行動をランダムに配置し、それぞれがコント的アクションを繰り返しているのだから、ドラマとして停滞しているように思えるのだ。
ゴールに向かっているようなのだが、そのゴールが見えない。そして目の前に提示されるヘリコプターのエピソードとかがどのように関係しているのかが非常に分かりづらく、これが体感時間を引き延ばしにかかって来るのかと分かる。映像こそ綺麗ですが、個人的にそこまで乗れずでした…
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