【ネタバレ】『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』シャブ目なシャラメ君

HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ(2017)
HOT SUMMER NIGHTS

監督:イライジャ・バイナム
出演:ティモシー・シャラメ、マイカ・モンロー、アレックス・ローetc

評価:50点

おはようございます、チェ・ブンブンです。

日本では昨年あたりからA24製作の映画が注目されるようになりました。サイコーにぶっ飛んでいて、心に刺さる映画が多いと。そして同じく昨年、『君の名前で僕を呼んで』でティモシー・シャラメが注目されました。その影響か、2017年公開A24×ティモシー・シャラメのバカンス映画『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』が8/16(金)日本公開されることになりました。一足早く、本作を鑑賞したのですがとても変な映画でした。大事な部分がネタバレと直結していたので、Filmarksには書けなかったのですが、当記事ではネタバレありで本作の歪さについて語っていきます。(※クライマックスのある部分に言及しています。注意)

『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』あらすじ


「君の名前で僕を呼んで」や「ビューティフル・ボーイ」で一躍世界から注目を集めるティモシー・シャラメが主演を務めた青春映画。1991年、最愛の父を亡くしたショックから立ち直ることができないダニエル・ミドルトンは、夏を叔母の家で過ごすため、美しい海辺の小さな町ケープコッドにやって来る。周囲の人たちとなじむことができないダニエルは、複雑な家庭の事情を抱え、地元ではワルで有名なハンター・ストロベリーとつるむようになる。町で1番の美女と称される妹のマッケイラを守ることには命をかけていたハンターからの「妹には近寄るな」との言葉に怯えながらも、ダニエルはマッケイラと秘密のデートを重ねていく。マッケイラと過ごすひとときはダニエルが自分を解放できるかけがえのない時間だった。シャラメのほか、「イット・フォローズ」のマイカ・モンロー、「ザ・リング リバース」アレックス・ローら若手俳優陣が顔をそろえる。監督は本作が長編デビュー作となるイライジャ・バイナム。
映画.comより引用

中途半端すぎる引用の応酬

本作は、イライジャ・バイナム監督が長編デビュー作として撮った作品です。恐らく、監督は自分の好きな映画の要素を真似したかったのでしょう。ただ、それが真似レベルで終わってしまっています。懐メロに、ビーチの空撮、ドライビングシアターでのいちゃつき、どれもバカンス映画好きのブンブンにはたまらないものを感じるのですが、そのどれもがどこかで観た映画という感じ。例のごとく、ティモシー・シャラメ演じる陰キャラが、バカンスで陽キャラになる為に、ナンパをしたり、パーティに潜入したり、ドラッグ体験しシャブ目になったりとするのだが、これらの描写は散々いろんな映画で擦り倒されてきたクリシェである。監督は、カッコいいだろと魅せてくる絵がどれも中途半端でなかなか心に刺さりません。日本版の予告編がクールだったのは、予告編製作者の腕があっただけで映画は微妙だということがよくわかります。

そして、本作一番の問題ある引用は、店で『インヒアレント・ヴァイス』のオープニング曲である『ビタミンC』を流すところにあります。明らかに、ポール・トーマス・アンダーソンが描くヒッピー感を意識しようとしているのだが、そこにはただ店で音楽を流しているだけのイメージしかありませんでした。

そして、終盤これはっと前のめりになる場面が訪れる。それはバカンス地にハリケーンがやってきて災害となるところだ。個人的には『台風クラブ』のような、ハリケーンの破壊を思春期の破壊願望のメタファーとして使っているのかな?あるいは、強烈なオチがつくのかな?と期待するのですが、ハリケーンの肝心な破壊は、写真によるスライドショーで終わってしまい、結局のところこの映画にハリケーンはいらないのではと思ってしまった。

もちろん、ティモシー・シャラメ好きなブンブンには、へなちょこ感溢れる彼の演技は愛らしいものがあったのですが、これは非常に問題のある作品だと感じました。

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