【ネタバレ考察】『リラックマとカオルさん』荻上直子節炸裂!深淵なる闇を魅せるNetflixアニメ

リラックマとカオルさん(2019)

監督:小林雅仁(脚本:荻上直子 ※超重要!!)
出演:多部未華子、山田孝之

評価:90点

おはようございます、サンエックスキャラクターの中では《にゃんにゃんにゃんこ》派のチェ・ブンブンです。
今、Netflixで物議を醸しているアニメがあるのをご存知だろうか?
その名も『リラックマとカオルさん』。あのサンエックスが誇る人気キャラクター・リラックマが、製作期間2年かけて、全編ストップモーションアニメとしてやってきたのだ!しかし、Twitterでは、どうやら物議を醸しているらしい。ゆるいタッチなのに、内容が相当ハードとのこと。というのも脚本家があの『かもめ食堂』、『レンタネコ』の鬼才・荻上直子なのだ。荻上直子は、毎回常識破りのままごと映画を作り、時にシュールで怖い展開を魅せてくるトンデモ監督だ(褒め言葉です)。
例えば、『バーバー吉野』では、ダサすぎる吉野刈りにしないと認めてもらえない小さな町をサバイバルする少年の物語となっているのだが、床屋が本当に全力でシティボーイを吉野刈りにしようとするあたりに戦慄しました。彼女の最近の作品『彼らが本気で編むときは、』では改心していたのですが、彼女がインタビューで「想像力を遙か宇宙に飛ばして…」とニコニコしながら本作にかける想いを語っていたので、これは…と思い観てみたのですがこれが予想の斜め上をいく鬱アニメで大草原でした。今日は、一話ごとにどす黒いツッコミを入れた感想、考察を書いていきます。

※ネタバレ記事です。要注意。また、アンサイクロペディアばりに辛辣且つ邪悪に歪んだコメントなので、心が健康的でない人は読むのを控えてください。

第一話:花見

多分、一番キツいエピソードです。この話で挫折する人も多いと思う程、鬼畜な第一話から『リラックマとカオルさん』は幕を開けます。カオルさんは鮫島物産の事務をしている冴えないOL。今日は4月初週。新入社員を期待してウキウキしながら、会社に向かうのですが、加藤課長から新入社員0人を言い渡される。理由は業績悪化で新入社員の採用を30%削減し、庶務課には人材が行き渡らなかったのだ。ゆるふわなタッチに反して、リアリズムの極みだ。

しかも、この庶務課が非常に生々しい。課長のパワハラ/セクハラしそうな素ぶりを魅せるし、やる気のないギャルOLサユは朝礼時にスマホを弄り、「全く仕事やる気ないし」とほざく。そんなカオルさんは友人から花見の約束を聞いてワクワクするのだが、サユLに「男何人来るの?えっいないの?」「取り残され感ハンパないですね」と言われてしまう。

さあ、ここから悪夢の始まりだ。

カオルさんはウキウキして重箱を作り、花見会場にいくのだが、いくら待っても誰も来ないのだ。15:30集合なのに30分経っても誰も来ないのだ。

しばらくして、スマホが鳴る。

16:10トモミ「ごめん!子供が熱出した。今日はパス(汗」
16:13ユキノ「仕事終わらず…すまん。」
16:17リン「5万部突破(料理本)のサイン会入っちゃったの…ごめんね、また今度。」
16:19マミ「8年ぶりに彼氏ができました。ここは正念場!攻めの姿勢を貫きます!!!!」
16:21ミーナ(主催者)「…まさか花見って今日だっけ?」

なんということだろうか、syamuさんもびっくり0人オフ会 が爆誕してしまうのです。時系列に注目していただきたいのですが、15:30集合と11:00の時点で出しているのに、誰も「OK」の一言も言っていないのだ。しかも、カオルさんは恐らく、真面目なので10分前の15:20分頃、下手すると15:00頃には会場入りして準備をしている。つまり、カオルさん到着してから1時間くらいして、ドタキャン祭りが勃発するのです。

まあ、トモミさんやユキノさんは仕方ないとして、後の3人が鬼畜すぎます。サイン会って、通常数週間前に予定合わせが行われているはずです。当日急に決まったとはいっても、午前中には連絡入れるのが筋だと思う。自分の成功を見せびらかし、且つドタキャンするとはサイテー過ぎます(リンちゃんのことはよく覚えておいてください)。

そして、マミよ。それは日曜日にやれよ!

んで、ミーナ、お前は重罪だ。国家の体制によっては打ち首ものです。

ただ、これを見て勘の鋭い人はこう思うだろう。

「誰も最初からカオルさんの友達ではなかった。」と。

恐らく、カオルさんは学生時代にミーナのグループにいたのだろう。なんとなく。カオルさんは友達だと思っているが、それ以外の人にとってカオルさんは、いてもいなくてもどうでもいい人で、なんならメンバーにいることすら少し鬱陶しいと思っていた。ただ、縁を切るのもなんだから、なんとなく存在させてあげていた。それが社会人になり、「時間」というコストがいかに高いかが分かってくると、わざわざ交通費、食事、1日という時間的コストを払ってまでカオルさんと会う価値はないと思い始める。そして、毎年恒例の花見自体、段々と周りはどうでもいい存在となっていった。そして事件は起こるべくして起きてしまった。という展開だと言えるのだ。

そしてカオルさんは、夜な夜なリラックマたちと余った重箱持って花見をするオチがつくのだが、どう考えてもカオルさんが鬱病になり、幼児退行、イマジナリーフレンドに現実逃避するバッドエンディングにしか見えません。これはやばいですねww

第二話:こいのぼり

恋が登らないカオルさんのこいのぼり回。冒頭、こいのぼりを見て体操する場面に今年最大級の癒しを感じた。しかし、事態は段々怪しくなる。同じボロアパートに住む少年にリラックマを誘拐されてしまうのだ。脅迫状を元に、カオルさんはパンケーキを作り、少年の元に行くと明かされる真実。少年は鍵っ子で、母親は遅くまで帰って来ない。どうやら父がいないというシリアス展開を迎えるのです。鍵っ子の孤独描写が、生々し過ぎていくらリラックマがこいのぼりを着こなしても全然頭に入ってきません。

第三話:梅雨

迷作であり、『マタンゴ』級のトラウマエピソード。キイロイトリが家事をしていると、赤いキノコが生えていることに気づく。恐る恐るキイロイトリがキノコにタッチすると、一気に増殖するのだ。しかも後ろを振り返ると…ヤァ!と言わんばかりに赤いなにがしがコンニチワしているのだ。この不気味さに背筋が凍ります。キイロイトリは、殺虫剤を散布することで、撃退を試みるのだが、部屋中煙だらけで、まるで家事騒ぎのような大惨事になっている。

カオルさんが帰還すると、リラックマがカビ臭いことに気づく。すると、リラックマの背中から、キノコが生えてくるのだ。

さあどうする、カオルさん?

と思いきや、なんとキノコ図鑑を取り出して食べようとするのだ。あの、、、殺虫剤がめっちゃ掛っているのですが、、、

そして、キノコ鍋をしようとすると、カエルが家に入り込み、キノコをつまみ食いする。そして、気が狂ったように踊る姿を見て、「毒キノコだったのかしらハハッ」と言い、食べるのを諦めるオチがつく。

「キノコを食べれば買われると思ったの?」とカオルさんは言うのだが、いくら会社で合コンの空き人材要員としてすら呼ばれないくらいハブられているからって、キノコ食べてどう変わろうと言うのだろうか?ますます孤独のイバラ道を進む未来しか見えません。

『リラックマとカオルさん』は、リラックマたちが持つ癒しを最大限に活かすために、カオルさんを不幸のどん底に堕とすプロットとなっているのだが、それにしてもあまりに攻めた内容で衝撃的でした。

しまいにはリラックマが着替えると言うシーンもあり、「中の人」を視聴者に意識させる鋭すぎるギャグなんかも入れていて迷作といえよう。

P.S.『リラックマとカオルさん』っておっさん版『干物妹!うまるちゃん』とも言えそうだ。

第四話:夏祭り

『リラックマとカオルさん』はいつ、カオルさんが闇堕ちするかわからないハラハラドキドキ感がある。楽しい楽しい夏祭りですら、カオルさんは闇に堕ちます。ここでは、前3話で観客が抱いているであろう、リラックマ=イマジナリーフレンド説を払拭しようと試みています。夏祭りにリラックマとカオルさん一味がやってきて楽しむ。団子を買ったり、ヨーヨーすくいをしたり、キイロイトリはかき氷にツーンとしたりとにかく楽しそうです。

しかし、時は来た!

リラックマたちが盆踊りを楽しんでいる様子を見て、カオルさんは暗い顔になる。どうやら、自分の無趣味に絶望したようなのです。何かに打ち込めるものがなく、陰日向でカレシもできる兆し皆無な現状にいたたまれなくなり、川沿いに逃げ込むカオルさんは、妄想の中で枝豆を差し出す筋肉マッチョとたこ焼きを差し出す筋肉マッチョ同時にアプローチされた場合、どちらへ行くのかを自問自答して発狂するのだ。

荻上直子さんのあまりのSっ気に恐ろしい子!と思いました。

第五話:お盆

社会派ブラックコメディ『リラックマとカオルさん』は毒親問題にも言及しています。お盆時期、カオルさんに一通の電話がかかる。親からの電話だ。親から、家業を手伝えと執拗に言われ、しまいには自分がしている仕事を徹底的に否定してくるのです。確かに、鮫島物産は残念な会社だし(裏話によると、カオルさんがいつも使っているパンケーキミックスは自社製品。ひょっとしたら社員に自社の商品を買わせているブラック企業かもしれません)、カオルさんの存在意義は仕事を押し付ける対象でしかないので分からなくもないのだが、人生そのものを否定された感じしますよね。カオルさんの親は無自覚に毒親になって、カオルさんの心を蝕んでいきます。

心がダークサイドに堕ちている彼女の前に、今回お化けが登場します。クマに因縁がある。リラックマはそれを聞いて、ヒェーーーと飛び上がりそうになるのですが、こともあろうか、カオルさんはリラックマをホールドアップさせ、「どうぞ、うちのクマを殴ってください」と言い始めるのです。

どんだけサイコパスなんだと思いました。流石に、思わぬ不意打ちでお化けもドン引きしているのですが、コリラックマ、キイロイトリもリラックマを固定して、殴れ殴れと圧をかけてくるのだ。何を食べたらこんな脚本が思い浮かぶんだろうと感じました。やはり鬼才は斜め上いく展開を魅せてくれますね。

第六話:占い

カオルさん、霊感商法に引っかかる話が満を期して登場。自分の不幸を意識するあまり、どす黒いオーラが流れるカオルさん。まあ、分からなくもない。会社に遅刻して到着しても、同僚からは、「あれっいたんですか?」と言われる空気っぷりを視聴者に叩きつけます。帰り道に、トキオ少年から幸運の石を受け取るのだが、金を請求されたりと踏んだり蹴ったりです。そんな彼女が、ついにブチギレ、占いグッズを買い漁り始めるのです。怪しい占い師の手ほどきにより、5万円で黒いポンデリ…いやいや数珠を買うのです。リラックマたちの食費を差し置いて。しかも、抗議するリラックマたちに「だったら、トキオくんの子におなり」と言葉を吐き捨てるのです。よく、愛する同居人にそんなこと言えるなとドン引きします。

そしてトボトボ、トキオくんの家に行くのですが母親がクマアレルギーだからダメと言われてしまう(いや、コリラックマはともかく、リラックマは中身ただのニートだよ!)。

最終的に団子で仲直りするのですが、カオルさんが不幸すぎて倫理・道徳観の欠如が著しくなっている鬱回となっています。

一応、鮫島物産にやってきたハヤテ急便のお兄さん(山田孝之が熱演)にほの字となるハッピーエンドが付いてくるのですが、あまりにかわいそうでいたたまれなくなってきました。

P.S.カオルさんの友人ミーナが、夜な夜なLINEで宝くじで30万円当たったことを報告するのだが、その文面が酷すぎます。「カオルにおいしいもんでもおごってあげようと思ったけど、やっぱりタイ旅行にいくことにした。トムヤムクンとタイマッサージごめんね。」カオルさん、ミーナとの縁は切りなさい。彼女は友達じゃないよ…

第七話:ダイエット

『リラックマとカオルさん』全13エピソードの中でもっとも面白く闇深い大傑作。これは大人のための道徳の教科書として有効だ。カオルさんとリラックマが、デブって服のサイズが合わなくなったことをきっかけにダイエットを決心する。胡散臭いダイエット器具のサイトからポチりネット注文(昔、こういった胡散臭いサイト制作のバイトをしていたブンブンにとって、本当に引っかかる人がいるんだと衝撃しかありません)します。そして、宅配便が来るのですが、それがハヤテ急便のあのお兄さんだったのです。

すっかり惚れてしまったカオルさんは、毎日1件ペースでものをネット注文し始めます。リラックマにおねだりされても、「ダメよ、1日1回だけよ、一度に運ばせたらね、、、もぅ」と目が異次元を向いてしまっています。おい、物流を困らせるなよ。と呆れます。そんなカオルさんに、嫌な顔一つもせずハヤテ急便のお兄さんはイケメンボイスで、昼だろうと夜だろうと荷物を送り届けます。カオルさんの家にはどんどんダンボールが溜まっていき、ゴミ屋敷になっていくのだが、恋に溺れるカオルさんは全く気にしていません。そして31日間毎日ネットショッピングした結果、687,603円の請求金額に驚愕するのです。

カオルさん請求書詳細

そんなカオルさんが支払った多額な請求詳細をここに記載します。

日付 ご利用先 個数 金額
10/1 いきいき健康家族 1個 2,500円
10/2 ビューティー アンド コスモ 1個 11,650円
10/3 ヘルシー テクノ 1個 5,700円
10/4 すこやか元気開発所 1個 3,420円
10/5 Dr ライフ 1個 11,980円
10/6 ヘルシースナイパー 1個 5,800円
10/7 田中ひろし健康センター 1個 9,321円
10/8 (株)ハッピーライフ 1個 4,210円
10/9 ヤセレ〜ル 1個 6,450円
10/10 ストレッチライフ 1個 1,890円
10/11 毎日元気くん 1個 2,340円
10/12 健康カントリー 1個 3,500円
10/13 ストレッチ家族 1個 1,140円
10/14 (株)ビューティートラスト 1個 5,220円
10/15 マッスルマッサージ 1個 4,780円
10/16 筋肉職人 1個 14,000円
10/17 EnjoyMuscle 1個 8,300円
10/18 美人健康.com 1個 5,260円
10/19 ビューティー アンド コスモ 1個 4,800円
10/20 筋肉ムキムキ業 1個 3,021円
10/21 美人LAH 1個 2,700円
10/22 田中ひろし健康センター 1個 1,800円
10/23 寝れない井研究所 1個 7,310円
10/24 いきいき健康家族 1個 2,500円
10/25 ビューティースマイルコーポレーション 1個 3,000円
10/25 (株)ヘルスエイト 1個 3,200円
10/26 Dr ライフ 1個 4,700円
10/27 (株)ビューティートラスト 1個 1,201円
10/28 HAC 1個 16,000円
10/29 びじん生活 1個 9,420円
10/30 健康カントリー 1個 2,260円
10/31 美人健康.com 1個 7,100円

ただ、勘の鋭い人は疑問に思うでしょう。「これって合計金額68万円行かないのでは?」。請求書には、ご利用金額:687,603円 お支払い期限:11月10日までと書いてあるのですが、実際にExcelで計算させてみると、176,473円つまり4倍近い値段を請求されていることが分かります(まあ月17万の請求でもビビりますが)。

それをそのまま受け入れて、返済しようとしている姿や、リラックマたちに詫びる気ゼロで、質素な暮らしを強要して来るカオルさんを本格的に心配するようになりました。これって、典型的なマルチ商法で底辺ネズミとして健康食品や美容品の在庫を抱えそうな人ではありませんか。

第八話:アルバイト

貧窮に貧困を重ねたカオル家は、夕食がモヤシだけだったり、ワカメのサラダだけだったりと過酷な日々を強いられている。職場の同僚サユには、モヤシと白米、梅干しだけの弁当をマクロビと誤魔化しているものの、戦時中レベルの食事に成り果てていて大草原不可避です。

それを見兼ねたリラックマたちがアルバイトをするというのがこの回のテーマ。キイロイトリが清掃のバイトをしているところがメチャクチャ可愛くて癒されます。何故か、コリラックマは猫カフェでバイトを始め、人気者になる。そして、リラックマは、団子屋、工事現場、ホールのバイトを転々とするのだが次々とクビになっていきます。1日に3度もクビになり、賃金すら発生しないレジェンドとなるのです。この仕事観は、『レンタネコ』時代の荻上直子タッチを継承していると言えよう。

P.S.この話ではりんちゃんが出世して、料理本「5分で簡単ゴージャス」が30万部を突破。重版も決定し、テレビにも出演するようになっています。カオルさんは、コリラックマ、キイロイトリが嬉々として観ているりんちゃんの番組を突然消す場面があるのですが、その時のカオルさんの怒りの震えをストップモーションアニメで完璧に演出されていたところが衝撃的でした。そりゃそうだよね。花見をドタキャンし、自分だけ出世するなんて。

第九話:雪だるま

本シリーズ唯一のまとも回。邪悪の邪の字もありません。リラックマたちが雪遊びする様子を映し、最後に夢の中でリラックマがくるりの《SAMPO》を雪だるまと踊りグランドフィナーレを迎える、本来あるべき姿のリラックマアニメ像を魅せてくれる作品だ。

しかし、すっかりカオルさんの闇に取り込まれたブンブンは、「あれ、りんちゃんに誘われてオンラインサロンのセミナーに行かないの?」「マルチ商法ネタはやらないの?」「Twitter中毒回じゃないの?」と思ってしまい、そこまでノレませんでした。キイロイトリがトキオくんと雪合戦するところは萌えましたけどね。

第十話:ハワイ

カオルさん、UUUMの同業者になる回。サユがハワイバカンスで男を見つけ寿退社を決め込む所から物語は始まる。ハワイ土産は、カオルさんと加藤課長はショボい義理チョコだったことにイライラし、リラックマたちに愚痴をこぼす。するとリラックマたちがフラダンスを披露してくれるという癒し回…と見せ掛けて、案の定闇の宝刀を振りかざします。カオルさんがハワイに行きたいと嘆くと、リラックマたちがボクも!ボクも!とグゥグゥ、くぅくぅ、キィキィと騒ぐのだが、「私は未来の夫といくのよ。」と言い放つ。リラックマ可哀想に。

そんなカオルさんに因果応報が下される。カオルさんが何気なく撮ってyoutubeにアップしたリラックマフラダンス動画が1億PV以上稼ぎ、youtuberデビューを果たすのだ。そのまま、ハワイロケの依頼が来るのだが、キイロイトリに「あんたは彼氏とハワイにいくんでしょ?」と、トキオくんをマネージャーに選び、彼女を家に放置したままロケを敢行するのです。キイロイトリも邪悪なキレ方するんだねと感心しました。

ちなみに、この回では、カオルさんに5万円の数珠を売りつけたあの占いBBAがハワイにトンズラしていることが分かります。

第十一話:星空

謎回。何故か、コリラックマがホームレスの家から、床屋のポールを奪い、『サスペリア』もびっくり、謎の魔法陣を作り始めます。そして、夜中に宇宙人がやってきて、スルメと引き換えに宇宙旅行へコリラックマを案内するという、今までのタッチとは全く違う内容となっています。何故か空飛ぶ円盤内にはパンダがいて、寝てしまったコリラックマを彼が介抱する謎のシーンもあり、非常にシュールでした。

ひょっとして、コリラックマは実は熊でも着ぐるみを来た小さいおじさんでもなく、地球外生命体だったと言いたいのだろうか?

第十二話:出会い

本作は、エピソード0にあたる話です。トモミちゃんの披露宴で演説をするカオルさんは、彼女から「ありがとう、今度友人の男紹介するね。」と大勢の前で、恋人募集中であることを暴露されてしまいます。カオルさんは癒しを求めて猫に対する愛を同僚サユに語るが思いっきりドン引きされます。身体を温めてくれる存在を求めていた矢先に、リラックマが居候するという展開になっていくのだが、露骨に背中のチャックをアピールし、中の人の存在を観客に示して来ます。これじゃあ、ホームレス拾って来た話じゃん。これはリラックマファン激おこ案件なのではとヒヤヒヤしながら視聴しました。

それにしても、カオルさんのアパートは、ペット禁止なはずなのに、デフォルトでキイロイトリを飼っているのに違和感を覚えるし、ペットに「キイロイトリ」と名付けるカオルさんのネーミングセンスは相当ヤバイ。

第十三話:引っ越し

最終回にして、こんまりメソッド全開エピソード。引っ越しに伴い、部屋を断捨離する。

「こうなったら、捨てて捨てて捨てまくるわよ!」

リラックマに「全て捨てておしまい、身も心もスッキリするわよ」と不敵な笑みを浮かべながら迫り来るカオルさんに恐怖を感じます。キイロイトリのヘソクリもバレてしまい、戦慄します。感動の別れ回に見せかけて、最後の最後までカオルさんの闇は全開でした。

最後に…

『リラックマとカオルさん』は、カタルシス系アニメとしてはトップクラスのクオリティだ。リラックマの癒しの側面を引き出すためにカオルさんを絶望の淵に堕とす。そこからの這い上がりに、視聴者は親近感と興奮、そして癒しを得ることができる。また、ストップモーションアニメとしての温もりやゆるふわ感が、ハードすぎるストーリーとのギャップ萌えを生み出し、カルトシリーズになり得る攻撃力を持っていました。多部未華子の、どこから声を出しているのか分からない、負のオーラを垂れ流すような迫真のため息演技も増し増しで本作に魅力を与え続けていました。

これは第二シーズンを期待したい。


新宿プロムナードでは『リラックマとカオルさん』PRキャンペーンの一環として、巨大リラックマと写真が撮れるようです。これはブンブン、非常に興味ある。ゴールデンウィーク中5/5(日)まで開催されているので時間があれば行きたいなと思いました。

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