【新元号発表記念】 #平成の日本映画30本 から平成を振り返る

平成11年:菊次郎の夏

監督:北野武(ビートたけし)
出演:北野武(ビートたけし)、関口雄介、岸本加世子、吉行和子etc

平成のノスタルジーに浸りたいのであれば、この小坊主とヤクザな男の珍道中をオススメする。まだ小学生が携帯電話やスマホなんか持っていない時代。ゆったりと流れる時間が少年の強い思い出に変わっていく姿を捉えた作品である。

平成12年:雨あがる

監督:小泉堯史
出演:寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、吉岡秀隆etc

平成前半の時代劇はシリアス路線で、最後の最後に魅せる殺陣の美しさを追い求める作品が多かった印象がある。『たそがれ清兵衛』や『武士の一分』、『必死剣 鳥刺し』なんかがそうだ。そんなシリアス路線の代表格の一本が『雨あがる』です。黒澤明お蔵入り企画の映画化。カラーになった『椿三十郎』として見応えある作品だ。

平成13年:GO

監督:行定勲
出演:窪塚洋介、柴咲コウ(KOH+)、大竹しのぶ、山崎努etc

在日朝鮮人のアイデンティティを求める物語。結局、平成何年経とうが、帰化した人の正体を暴き、バッシングする日本の悪い癖は治ることがなかった。村社会国家日本の酷いところだ。移民を受け入れることによって、ますます血は複雑になっていく。二世、三世のアイデンティティを巡る問題を他人事にしてはいけないと思い、選出しました。

平成14年:ピンポン

監督:曽利文彦
出演:窪塚洋介、井浦新(ARATA)、サム・リー、中村獅童etc

平成になるとVFXの発達により、漫画の映画化が盛んになってきた。そして漫画、アニメ、映画にドラマと一つのコンテンツが様々な媒体に翻訳されていった。その中でも、漫画、映画、アニメ、全てのコンテンツで傑作の域に達しているのは『ピンポン』だけだと思う。天才の挫折、天才の横で努力する者、二つの人生がクライマックスに向けて収斂していく過程は、部活嫌い、体育会系嫌いなブンブンでも胸熱なところがありました。

平成15年:呪怨

監督:清水崇
出演:奥菜恵、伊東美咲、上原美佐、市川由衣etc

平成はジャパニーズホラーが美味しい時代でした。『リング』、『着信アリ』、『仄暗い水の底から』と我々の身近で起こり得そうな恐怖をじっとり、、、じっとり描き、日本だけではなく世界でも注目されました。そんなジャパニーズホラー最高傑作がこの『呪怨』です。我々の安全だと思っている場所ですら、破壊してくる演出に背筋が凍りました。

平成16年:誰も知らない

監督:是枝裕和
出演:柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子etc

平成は《誰も知らない》時代とも言える。個人主義が極端に広がり、近所付き合いは一切しない鎖国な社会となってしまった。あなたはマンションやアパート、団地で隣に住む者のことを知っているだろうか?誰もが他人に無関心な時代に生まれた、この子どものサバイバル映画は、世界に衝撃を与えました。

平成17年:空中庭園

監督:豊田利晃
出演:小泉今日子、板尾創路、鈴木杏、広田雅裕etc

この時代は、家族という閉塞を描いた傑作が多数生まれた時代でした。 『空中庭園』は隠し事をしないというルールが逆に秘密を生み出し、居心地が悪くなっていく様子を風刺したブラックコメディです。

平成18年:カミュなんて知らない

監督:柳町光男
出演:柏原収史、吉川ひなの、前田愛、中泉英雄etc

大学の人間関係のギスギスとした様子、露骨な映画の引用から、なんでも知った気になってしまう平成の人々のゲスさをあぶり出す作品。またこれ以降、こういったワークショップや演劇の骨組みを映画で魅せることで、映画とはなんなのかを自問自答する作品が増えていったと考えることができる。これはフェリーニやトリュフォーの内幕ものとはまた違った色を出しています。

平成19年:それでもボクはやってない

監督:周防正行
出演:加瀬亮、瀬戸朝香、山本耕史、もたいまさこetc

男は戦慄した。定期的に話題となる電車内痴漢問題。その冤罪に迫った作品だ。徹底的に絶望を突きつけてくるこの作品は、日本が抱える最大の問題を叩きつけています。

平成20年:トウキョウソナタ

監督:黒沢清
出演:香川照之(市川中車)、小泉今日子、小柳友、井之脇海etc

黒沢清監督との相性は最悪なのだが、唯一この作品だけはハマった。黒沢清が毎作描く、得体の知れない恐怖と、失業し会社にも家にも居場所がなくなってしまった男の究極のサバイバル。救いようのない展開の数々に戦慄しました。

平成21年~31年

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