【小話】フランスでは実写版シティーハンター『Nicky Larson』が公開されていた!!

【小話】フランスでは実写版シティーハンター『Nicky Larson』が公開されていた!!

こんにちは、チェ・ブンブンです。

今週末公開の話題作に『劇場版 シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』があります。本作は、週刊少年ジャンプにて掲載されていた北条司の同名漫画の映画化。凄腕スナイパーの冴羽獠が依頼人の悩みを解決する作品で、週刊少年ジャンプの漫画としては異色のハードボイルドものとなっています。ハードボイルドのスナイパーものといえば『ゴルゴ13』が思い浮かびますが、こちらと大きく違うのは、お色毛シーンになると急に絵のタッチが変わるギャップがある点。これにより、コミカルなハードボイルドものとしての差別化を図ることに成功しました。

そんな『シティーハンター』ですが、日本だけでなく、アジア圏を中心に人気を博しており、なんとジャッキー・チェン主演で実写映画化もされています。今回、日本アニメとしては『シティーハンター 愛と宿命のマグナム』 、『シティーハンター 百万ドルの陰謀』、『シティーハンター ベイシティウォーズ』に次ぐ4度目の映画化、28年ぶりの映画化として話題を呼んでいます。なんとTOHOシネマズ新宿では2/8(金)公開初日に、『アクアマン』、『ファースト・マン』といった話題作を差し置いて劇場最大収容人数501席を持つSCREEN9を充てがう程の気合の入れようとなっております。

そんな中、今日2/6(水)から遠く離れたフランスで実写版シティーハンターが公開されているのをご存知だろうか?

フランスではNICKY LARSON(ニッキー・ラルソン)として人気を博している『シティーハンター』。今回、どういうわけかフランスで初めて映画化。それも実写で製作されました。その名も『NICKY LARSON ET LE PARFUM DE CUPIDON(ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水)』

二次創作的映画化だと思う方も多いでしょう。しかしながら、フランス公開時のQ&Aイベントに原作者の北条司が登壇し、本作の監督、脚本兼主人公ニッキー・ラーソン役を演じたフィリップ・ラショーと対談していることから公式の映画化と言えます。ってことで、今日は、フランスで公開された『NICKY LARSON ET LE PARFUM DE CUPIDON(ニッキー・ラルソンとキューピッドの香水)』について語っていきます。

『NICKY LARSON ET LE PARFUM DE CUPIDON』あらすじ


Nicky Larson est le meilleur des gardes du corps, un détective privé hors-pair. Il est appelé pour une mission à hauts risques : récupérer le parfum de Cupidon, un parfum qui rendrait irrésistible celui qui l’utilise…
ブンブン訳:ニッキー・ラルソンは最高のボディ・ガード、凄腕のプライベート・アイ(私立探偵)さ。奴はハイリスクなミッションにお出ましになるのさ。そのミッションとは、使う者を虜にする《キューピッドの香水》を奪還することなのさ。
allocineより引用

予告編を見た感想

ジェームズ・ブラウンの『The Payback』のリミックスがガンガンと流れる中、ヤクザなプライベート・アイ、ニッキー・ラルソンが颯爽と槇村香ポジションのローラのスカートから銃を取り出し、クールに敵をなぎ倒します。こんなアクションは日本ではあまり見られない光景だけにワクワクしてきます。と思いきや、フレンチコメディ特有のバカバカしいコントが繰り広げられます。割とフランスのコメディは、アメリカ以上に過激なことを平気でやってのける。例えるならば、『ジャッカス』がYoutuber的ノリで、大掛かりなコントをするような感じに。予告編では、ベッドに敵(?)を縛り付けてニッキーが車でレッカー搬送するシーンや、ダストシュートで滑りきった先に車があってゴッツンこする場面など大掛かりな馬鹿馬鹿しいシーンなどが散見されます。

しかしながら、キャラクター造形には異常に拘っており、冴羽獠、そして何よりも海坊主はまさしく漫画、アニメの世界から飛び出してきた理想の姿となっています。

出演者について

さて、出演者について何人かまとめていきましょう。

フィリップ・ラショー(ニッキー・ラルソン※冴羽獠ポジション)

今回主人公ニッキー・ラルソンを演じたフィリップ・ラショーは、元々フランスのコメディアンで、バラエティ番組を中心に活躍していたのですが、近年映画界に参入し、『世界の果てまでヒャッハー!』、『真夜中のパリでヒャッハー!』、『アリバイ・ドット・コム カンヌの不倫旅行がヒャッハー!な大騒動になった件』では監督、脚本、主演の三役を務めています。日本でも最近注目されるようになってきたフランスのコメディ俳優でもあります。なんと、本作の監督も務めています。

エロディ・フォンタン(ローラ・マルコーニ※槇村香ポジション)

2014年フランスの年間観客動員数1位を獲得した『最高の花婿(Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?)』でコートジボワール出身の黒人と結婚する役を演じたエロディ・フォンタンが槇村香ポジションを演じています。余談ですが、先日1/30に『最高の花婿(Qu’est-ce qu’on a fait au Bon Dieu?)』の続編『Qu’est-ce qu’on a encore fait au Bon Dieu?』が公開されました。そこにも彼女は出演しています。

KAMEL GUENFOUD(ファルコン/マンモス※海坊主ポジション)

海坊主ポジションを務めるKAMEL GUENFOUDは映画デビュー。軽く調べて見たのですが、全く情報が出てこないことから、オーディションで選ばれたニューフェイスだと思われます。それにしてもわざわざ、海坊主そっくりな人材を見つけてくるとは、ソニーさんの『シティーハンター』実写化にかける思いは桁違いのようです。

評価

映画情報サイトallocineの評価を見てみましょう。

批評家評価:2.9/5.0(15媒体)

一般評価:3.6/5.0(117のレビューを含む348件の評価)※2019/2/6 22:10時点

この手の映画は、批評家に弄ばれられる傾向が強く、絶賛と酷評にパックリ分かれがちなので、想定内の評価といえます。批評家評の代表的な評価を見ていきましょう。

絶賛:20 Minutes(執筆者:Caroline Vié) 星:4/5

Les scènes d’action de Nicky Larson et le parfum de Cupidon sont impressionnantes. On retiendra notamment une poursuite dans les rues de Monaco avec des voitures et un lit king size.
ブンブン訳:ニッキー・ラルソンのアクションシーンとキューピッドの香水が印象的です。私たちは、車とキングサイズベッドを備えたモナコの街での追跡劇を思い出すでしょう。

20 Minutesはサラリーマンが通勤時間で読むことを想定した、無料の日刊紙。字数も短く、簡単な構文で書かれていることも多く、フランス語の勉強にもオススメなメディアです。ただ、映画評に関しては、基本的に褒め8割なので、個人的にあまり信頼していません。実は、allocineで4/5と高評価を出している他のメディアは全て、基本褒めていくスタイルをとっています。

酷評:Le Monde(執筆者:Jacques Mandelbaum)星:1/5

Le film, comédie d’action poussive et laide tournée en prises de vues réelles, fait ainsi subir les outrages à la belle bande dessinée originelle, City Hunter.
ブンブン訳:この映画はライブアクションで撮られた醜くネガディブなアクションコメディーであり、美しき原作『シティーハンター』を憤慨させています。

フランスの映画評を見るとき、ブンブンが指標とするLe Mondeは厳しいコメントを寄せています。Le Mondeは、一般紙よりかは厳しめ且つ、Les Cahiers du Cinéma程の偏屈さを持ち合わせていないバランスのとれた評を出すことが多く、意外な作品でしっかり意思表示の酷評をしたりする(最近だと『クリード炎の宿敵』に星1/5を与えていました)ので非常に参考となります。原作厨には厳しい作品であることを匂わせるコメントです。

日本公開は…?


映画の配給情報を発信しているcinepre(@cinepre)さんの情報によると、ニューセレクトが本作の配給権を獲得したそうです。ニューセレクトはアルバトロス・フィルムという劇場営業部・宣伝部を持っていることで有名な配給会社で、現在公開中の『未来を乗り換えた男』やアカデミー賞外国語映画賞受賞作『ナチュラルウーマン』などを配給しています。あくまでTwitter情報なので本当に日本公開されるかは未定ですが、これは是非とも劇場で観たいところ。雰囲気的に、フィリップ・ラショー作品の公開実績があるヒューマントラストシネマ渋谷あたりで公開される気がします。

おわりに

いかがでしたでしょうか?

ブンブンは『劇場版 シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』と併せてこの『NICKY LARSON ET LE PARFUM DE CUPIDON』も観たくなってきました。取り敢えず、今週は、TOHOシネマズでアニメ版を楽しむとしよう♪

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