【釜山国際映画祭】『The Prey』日本公開希望!カンボジアから出てきた極上ガン=カタ映画

The Prey(2018)

監督:Jimmy Henderson
出演:Byron Bishop, Sahajak Boonthanakit, Nophand Boonyai etc

評価:80点

釜山国際映画祭MIDNIGHT PASSIONの1本。正直おまけ映画感が強く、全く期待していなかったのだが、このカンボジア映画、めちゃくちゃ面白かったです。

『The Prey』あらすじ

カンボジアで潜入調査している中国人警察が捕まった。彼が入れられた刑務所は汚職と暴力にまみれた場所だった。刑務所内の暴力の応酬に耐えた彼を待ち受けていたのは、ジャングルでの死闘だった…

ガン=カタ映画の新たな傑作!

カンボジアで潜入調査している中国警官が、捕まるところから始まる。男が階段を登り、ヤクザのボスにコーヒーを渡し、洗面所に行くと、機動警察が押し入り銃撃戦がポッ発するまでを長回しで描く。この激戦描写から傑作の予感をプンプン漂わせます。かくして、カンボジアの刑務所にぶち込まれた中国警官。時計に仕込んだGPS機能で仲間に助けを求める。しかし、彼のぶち込まれた刑務所は、ヤクザが刑務所内の屈強をピックアップして、ハンティングゲームの的にして遊ぶトンデモナイ場所だったのだ!

ヤクザは、刑務所内乱闘を発生させる。それをスポーツ観戦のように楽しむ。戦場はナイフで人を切り刻む者、鈍器で相手の頭をかち割る者もいる。そんな中、中国人警官は己の拳を信じて戦い抜く。しかし、これが予選であることを彼は知らなかった。予選を勝ち抜いてしまった中国警官は、荒野に連れてかれる。そして銃弾の雨を浴びせられるのだ。まるで袋のネズミのように追い込まれた彼だったが、抜群の運動神経でジャングルに逃げる。そんな彼を野放しにする訳がなく、さらなる地獄の追跡劇が幕を開けてしまう…

本作のアクションがなんとガン=カタがメインで、『ジョン・ウィック』『リベリオン』さながら、ビシッビシッと型が決まっていく爽快感。景気良く人がありとあらゆる死化粧を決めていく姿に、どんどん引き込まれます。

またキャラクターの個性がしっかりと描き分けられており、特に敵味方制御不可能な妄想ランチャー男を配置したことで、物語展開推測不可能なハラハラドキドキ感が生まれてくる。そして、エンディングもさっと終わらせる潔さ。この前菜感、MIDNIGHT PASSION1本目に相応しい作品といえます。

未体験ゾーンの映画たちでもいいので、日本公開してほしい逸品でした。

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