クソ野郎と美しき世界(2018)
SMAPファンの方へ警告
WARNING:SMAPファンは読まないで下さい。
これはクサポン(草彅剛)好きのしがない映画オタクのボヤキです。
《アイドル》という存在に囚われ、そして突如勃発したシビルウォーにより無残にも散ったアイドルグループSMAP。平成の終焉を象徴するかのように時代を駆け抜けたSMAPの解散に、国民は開いた口が塞がらなかった。これは熱狂的SMAPファンだけでなく、日本人の誰もが衝撃を受けた。
この衝撃のシビルウォーにより、稲垣吾郎、香取慎吾、草彅剛は《新しい地図》というグループを結成。アイドルという呪縛へのプロテストとしてAbemaTVを拠点にしつつ、稲垣吾郎はインスタグラマー、香取慎吾はブロガー、草彅剛はユーチューバーとして活動を始めた。
そんな中生まれた映画が、『クソ野郎と美しき世界』だ。4篇のオムニバスで、監督は鬼才・園子温に今話題のインディーズ映画界の新星・山内ケンジ、お笑い芸人爆笑問題の太田光、映像クリエイターの児玉裕一という異色な組み合わせ。まさにSMAP、ジャニーズへのプロテストであり、音楽、映画を超えようとしたプロジェクトだ。
しかしながら、中身は本当に酷かった。山内ケンジ×香取慎吾の話こそ大傑作だが、残りが映画オタク程吐き気がする、体調が悪くなるものだった。
映画を普段観ないSMAPファンが羨ましい
ただ、SNSを覗くと、普段映画をあまり見ないSMAPファンが熱狂している。泣いた!面白かった!ぶっ飛んでいた!と拍手喝采だ。無論、映画ファンはかなり苦言を呈しているが。
ただ、そんなSMAPファンが羨ましい。なんたって、普段映画を観ない人にとってはアートのビッグバンがそこにあり新鮮だからだ。そこには《アイドル》という枠組みを超えてチャレンジする人々が映し出されているからだ。
映画ファンを10年もやると、『X線の眼を持つ男』や斉木楠雄のように透視ができてしまう。AのあのシーンとBのあのシーンを混ぜたもの、やれパクリだオマージュだとわかってしまう。たまに、映画に嵌り始めた人から「ブンブンさんのように、深く映画を観られるようになりたい。元ネタがわかるようになりたい。」と羨ましがられるが、トンデモない。どんなに斬新な映画でも、元ネタが分かってしまうと新鮮さが失われてしまう。興奮も半減だ。しかも、昔はやれ『フォレスト・ガンプ』だやれ『エイリアン』、やれ『東京物語』だと、オススメ100選に選ばれるような作品を観て、毎回衝撃を受けていたが、今や大抵の作品は見尽くしてしまった。そうなってくると、未知の誰も足を踏み入れたことのない領域から大傑作を探さなくてはならない。本当に新鮮で面白い作品は氷山の一角だ。だからこそ、映画オタクではない人が羨ましいのだ。
長文になってしまいましたが、これから一話ずつ、語っていきます。なお、ネタバレ記事なので要注意。映画オタクのボヤキだと思って読み流してください。
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