『ザ・シークレットマン』はリーアム・ニーソンは48時間で標的を倒せるのか?

ザ・シークレットマン(2017)
Mark Felt:
The Man Who Brought Down
the White House(2017)

監督:ピーター・ランデズマン
出演:リーアム・ニーソン、
ダイアン・レイン、
マートン・ソーカスetc

評価:80点

ポスターを見て、てっきり『96時間』系の親父アクション映画かなと思いスルーを決めていたのだが、町山智浩がラジオで『ペンタゴン・ペーパーズ』を観る前に『大統領の陰謀』と本作を観ておくと良いとオススメしていたので、急遽ヒューマントラストシネマ渋谷で観てきた。意外と混んでいてびっくりした。

『ザ・シークレットマン』あらすじ

J.エドガーの右腕として長年FBIに尽くしてきた男マーク・フェルト。そんなある日、J.エドガーが亡くなる。てっきり、長官になれると思っていたマーク・フェルトだったが、何故かホワイトハウスが介入してきて、長官の座を奪われてしまう。更に、同じ頃発生したウォーターゲート事件の捜査も打ち切るよう言われる。新長官にマーク・フェルトが文句を言ったところ、こう言われた。「48時間やろう。それで蹴りをつけてくれ」

リーアム・ニーソンは48時間で標的を倒せるのか?

本作の原題は『Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House(マーク・フェルト:ホワイトハウスを仕留めた男)』とあるように、最近明らかになったウォーターゲート事件の内部告発者ディープ・スロートことマーク・フェルトを描いた作品だ。親父アクション映画ではなかった…と言いたいところなのだが、実はあながち間違いではなかった。というのも、リーアム・ニーソンの親父アクション映画代表作『96時間』に近いところが見え隠れするのだ。『96時間』では文字通り96時間で誘拐犯を撃退するという話だ。一方、本作は『48時間』でウォーターゲート事件の黒幕及び、FBIと政府との間で起きている陰謀の真相を突き止めるという内容なのだから。こりゃエディ・マーフィーもびっくりですな。

さて、真面目な話をしよう。本作は、『大統領の陰謀』時には明らかにされていなかったFBI内部の視点を映画化したもの。そう聞くとお堅く難解な作品だと思うかもしれないが、ウォーターゲート事件に詳しくない人でも身を乗り出すぐらい楽しめる作品だ。

本作を一般企業に例えるとこういうことだ。長年プライベートを犠牲にして働いてきたサラリーマン。ようやく部長の座を狙えるところまで上り詰めた。そして、部長が不慮の事故で亡くなった。よっしゃ!部長になれるぞ!と思った矢先に、何処の馬の骨だかわからん奴が部長の座を奪った。悔しい!復讐したろう。という話なのだ。

マーク・フェルトはFBIが独立団体であるにも関わらず、政府から強い介入を受けていることに不満を抱いているという表向きの顔こそあれど、「あんやろー、ぶっ殺してやる」とばかりに最強の密告者としてワシントン・ポストやタイム誌に情報を漏洩させまくる。

そして、ホワイトハウスに密告者がいる、FBIのあいつが怪しいと次々に陽動をかますことで自分の正体を隠す。『Death Note』さながらの綱渡り状態に、観ている間ずっとハラハラドキドキしっぱなしでした。

これは、町山智浩も言うように『ペンタゴン・ペーパーズ』を観る前に鑑賞した方が良い傑作と言えよう。

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