光(2017 大森立嗣)
監督:大森立嗣
出演:井浦新(ARATA)、瑛太、長谷川京子、
橋本マナミ、南果歩etc
評価:70点
今年は異例な年で、同名の邦画が2本公開されている。その名も『光』。上半期に河瀬直美の『光』が、カンヌ国際映画祭で出品され注目されていた。残念ながら河瀬直美映画が嫌いなブンブンは、予算の関係もあり割愛しました。今回、『セトウツミ』『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』の大森立嗣が三浦しをんの同名小説を映画化しました。果たして…『光』あらすじ
離島、美浜島。父親から激しい虐待を受けている輔は、信之を執拗に追い回していた。ある日、信之は美花が島の人間にレイプされている現場を目撃。もみ合いの末、その男を殺してしまう。その後、大津波で島が壊滅し、3人は離ればなれになった。殺人事件も藪の中に消えたと思われた…しかし25年後、信之の前に輔が現れ…音楽が致命的
近年、やたらと中上健次もとい『火まつり』を意識しつつ、作家性を滲ませた怪作が日本映画界を騒がす。『WOOD JOB』『ディストラクション・ベイビーズ
』『溺れるナイフ』、そして今回大森立嗣の『光』が新たな一本を放った。
原作は三浦しをん。珍しく、原作を先に読み、もろ中上健次やんけ!とツッコミを入れつつ、イヤらしさ全開の小説に惹きこまれた。しかしながら、小説ならではの行間演出多しこの小説をどう映画化するのか?
かなり不安ながらTOHOシネマズららぽーと横浜で観てきた。紅の一点が映画を台無しにした惜しい映画だった。
荒々しい男が、主人公の妻と不倫に至る過程をバッサリ切る大胆な演出。彼と工場とのコントラスト、主人公が過去に、島に引きずり戻され狂気性が暴走するあたりをモンタージュ捌き魅せる様。大森立嗣の超絶技巧に「おっこれは傑作かもしれん。マジで『火まつり』だ!」とテンションが上がる。
し、しかし、大森立嗣の超絶技巧が暴走し、途中合間合間に挿入されるサイケデリックな音楽が、スピード感ある物語をいちいち止めて煩わしい。正直、作品のトーンは昭和犯罪もの。それも『火まつり』含め、『復讐するは我にあり』『鬼畜
』あたりのなので、このサイケデリックなサウンドは水と油な関係だ。
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