【ネタバレ酷評】『彼女がその名を知らない鳥たち』蒼井優、阿部サダヲの演技は上手いが…

彼女がその名を知らない鳥たち(2017)

監督:白石和彌
出演:阿部サダヲ、蒼井優、
松坂桃李、竹野内豊etc

評価:40点

邦画不作年、11月になったのに今年の邦画ベストテンが微妙で頭を悩ませる。そんな私に映画仲間が「これ、すげーぞ!今年ベストワンかも知れない」と勧めてきました。ってことで、映画祭シーズンの合間を縫って早速観てきました。

『彼女がその名を知らない鳥たち』あらすじ

『ユリゴコロ』でも話題となった沼田まほかる。彼女の同名小説の映画化。金も地位もなく、小汚い男と一緒に暮らす女は、日々の不満を周りにぶつけている。そんな彼女の前に、時計屋の男、元カレが現れる。小汚い男はカノジョが他の男の元へ行かないように全力で阻止する。実はそれには訳があった…

伝説的クリームパンの使い方

成る程、本作はフード描写がどうかしている。阿部サダヲと蒼井優が終始、フードを貪り食う。うどん、ステーキ、柿の種。汚い、観客のヘイトを爆稼ぎするような食事が何故か美味そうに見えてくる。クズでゴミで地を這いつくばって生きる、まるで「㊙︎色情めす市場」のような本能に圧倒された。極め付けはクリームパン!実際に観て衝撃を受けて欲しい。あまりに斬新なフード描写に、この映画狂ってると思った(褒め言葉

憑依役者阿部サダヲとメンヘラの達人蒼井優のセッションも凄まじかった

、、、しかし、どうも乗れない自分がいた。本作は観客に、よくわからない関係のカップルを魅せ、混沌の渦から驚愕の真実をじわりじわり引き抜くタイプの作品。タイトルこそ出したらネタバレなので、言えないが、どうもパッチワーク的であまり上手いとは言えない。

魔性のブランド時計売りの青年も、ブランド時計の払い戻しトラブルを経験している私にはあまりにもリアリティを欠くもので、美青年の表と裏の顔のコントラストを描く点で上手くいってない。

ラストのラストで、ベタなミステリーのオチ。実は、蒼井優は殺人者で、それを庇うように阿部サダヲは身を捧げていたというオチがつく。確かに、伏線は貼られているものの。後出しじゃんけんのように見えてしまう。『ユージュアル・サスペクツ』以降諸刃の剣となっている、この手のオチ。本作はどうも後出しじゃんけんに観えてしまうのだ。

感動と衝撃の斬撃を放って観客もとい、シネフィルの心を動かそうとしている作品だが、どうも私の心に響くものはなかった。

凄まじいフード描写と、阿部サダヲvs蒼井優のバトル以外ダメな作品でした。

オススメしてくれた映画仲間よ、すまぬ、、、

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