亜人(2017)
AJIN(2017)
監督:本広克行
出演:佐藤健、綾野剛、Hikakin、大林宣彦、
その他愉快な仲間達
もくじ
評価:75点
数年前、ブンブンは有楽町のTSUTAYAでこんなポップを観た。
「タランティーノ監督に映画化してほしい!」
そんなポップの主は「亜人」だ。
その声は着実にハリウッドへと届きつつある。
アニメ→アニメ映画化、そして東宝大作映画として日本で実写化まで辿り着いた。
そして、東宝は「シン・ゴジラ
」で味をしめたのだろう、ゴリ押し戦法で、観客を考えさせないぶっ飛んだ作品へとアレンジした。
実は白状するとブンブン、Netflixで予習しようとしたが、3話で断念している。そんなブンブンですら夢中になった。いや、発声上映があるなら参加したい程熱狂させた。シネフィルから嫌われがちな(特に「踊る走査線」シリーズ周りで)本広克行監督の作品であるが、ブンブンはいろんな意味で楽しめたぞ!今日は、そんな「亜人」を5つの観点でツッコミながら解説していきます。もちろんネタバレ記事なので、未見の方はこのページを閉じて映画館へGO!綾野GO!
「亜人」あらすじ
研修医の永井圭は交通事故に遭う。しかし、彼は死ななかった。不死身の人間「亜人」であったのだ!彼は研究所に連れてかれ、拷問を受ける。毎日のようにモルモットとして殺され続ける永井の前に男が現れた。「ナガイクゥ~ン!」そう、彼の名は佐藤。テロリストとして、亜人イジメする政府に怒りをぶつけるその男に助けられた永井だったが…ツッコミポイント1:本広克行、物語ることを放棄
本作は、あのA to Z語っているような予告編と全く違うアプローチで始まる。いきなり、不死身の亜人となった佐藤健が拷問されるシーンから始まる。んっ?永井もマブダチ海斗は?とアニメを観た人なら誰しもが思うであろう。
本広克行、いや東宝はそんな原作野郎に対し、「原作?んなもん知らねぇよ!俺らの映画について来い!」と煽りに煽る喧嘩腰で迎え撃ちます。そして、「起承転結」の「転」あたりから、物語をスタートさせ、アクションアクションのラーメン二郎で観客の満足指数を爆上げ、上映時間2時間もないので、余計な葛藤など全力で省略していきます。。。本広克行監督は佐藤か?と思うほどに狂ってやがる(褒め言葉)
ツッコミポイント2:IBMなにそれ?
先日観た「ドリーム
」に引き続き、変わった形で登場したIBMこと、ユーレイが「亜人」の中で重要な役割を放つ。簡単に言うとIBMは亜人とシンクロし動く代物だ。よくある展開だと、最初は上手くコントロール出来ないユーレイと段々友情、シンクロ率を上げて、強大な力を得た状態で敵を倒すという感じになるはずである。
しかし、本作はそんな面倒な描写もバッサバッサ切り去っていき、何の説明もなしに現れ、申し訳なさげ程度に修行シーンを入れているが、あとは亜人本体なんて知らんという感じに勝手にIBM同士が殴り合いを始めるのだ。確かにCGは凄いが、一見さんは、「えっ何何?」と脳内パニックを引き起こすだろう。
だが、この狂いっぷりがこれまた格好良く、松竹の「HiGH&LOW
」シリーズに立ち向かうつもりかという程とことんアクションを追求したものとなっている。観ていてたーのしーだ!
ツッコミポイント3:ゲスト出演の無駄遣い
「シン・ゴジラ」でも原一男なんかを妙なところにキャスティングしていて話題となっていたが、この「亜人」でも奇妙なキャスティングがされている。
個人的には、ブンブンハローユーチューブの人よりも、日本のマイケル・ベイこと「すしらーめんりく」を製作部署にスカウトした方が良かったのでは思ったりもした。
ツッコミポイント4:911を完全再現!
本作をアメリカ人が観たらゼッタイにハリウッドリメイクしたくなるでしょう。映画のネタ不足に悩むアメリカにとって、日本の漫画はネタの宝庫。ましてや、日本の低予算の技術を観たら、その10倍の予算で凄いモノを作りたくなるのは必至だ。
しかし、本作には1点とんでもないシーンがある。それはアメリカ同時多発テロ、通称911を完全に再現しているシーンがあるのだ。綾野剛扮する佐藤が、悠々自適休んでいる政府の人めがけて飛行機で家庭訪問!ビルに正面衝突するシーンがあるのだが、そのビルの崩れ方と言い、飛行機の突っ込み具合と言い、徹底的に911の映像研究しただろとしか言いようのないリアルさに観客全員度肝を抜かれました。
確かに、ハリウッドも311以降、津波描写のCGは上手くなった。いくらお互い様とは言え、流石に狂ってやがる。日本のCGはゴミだゴミだと言われるが、何故あそこだけハリウッド顔負けクオリティなのか?いささか疑問である。
駄菓子菓子!とっても面白かったぞ!!
ツッコミポイント5:アナゴボイスで迫り来る綾野剛
極め付けは、アニメだと大塚芳忠が演じている宿敵・佐藤を綾野剛が演じているのだが、若本規夫ことアナゴさんのモノマネにしか見えないところだ。
「ナガイクゥ~ン」と迫り来る綾野剛、肉体美を見せびらかす綾野剛、そして再び「ナガイクゥ~ン」と迫り来る綾野剛これは綾野剛ファン卒倒する程面白かった。このギャグっぷり、狂気さにますます綾野剛が好きになりましたww
最後に…
日本もようやくまともなアクション映画を撮れるようになった。「HiGH&LOW
」もそうだが、ストーリーはゴミでもノリと勢いがあればこんなに楽しい映画を作れることを照明してくれた。ハリウッドも羨むこのギャグアクション映画を是非劇場で楽しんで下さい。
本当、、、どこか発声上映頼みます!
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