解答:第10問(四択:3点)
A「ケンシロウ」
解説:
核戦争が原因で荒廃した世界を舞台に、胸に七つの傷を持つ男、ケンシロウの冒険を描き、人気を博したのが「北斗の拳」(1984)である。
解答:第11問(記述:20点)
AFIが2003年に選出した
「アメリカ映画100年のヒーロー・ベスト100』のうちベスト10位~1位を答えよ。
※AFI…アメリカで「映画芸術の遺産を保護し前進させること」を目的とする機関
※1問正解につき、2点
※「映画名」ではなく、「キャラクター名」を答えてください
※採点は甘め。大体合っていれば正解
※ヒントは下記。
【ヒント】
第1位:この人物を演じた俳優は、数多くのヒーローを演じ、「アメリカ映画の良心」と呼ばれた。
第2位:この人物を演じた俳優は、軍人に冒険家、医者、刑事など何でもこなす。
第3位:これまでに6人が、この人物を演じている。そのうちの一人はオスカーを受賞している。
第4位:「君の瞳に乾杯」という名台詞で知られるアメリカを代表する名作に登場する。
第5位:政治家の小泉純一郎が好きな映画の一本に上げた西部劇に登場する。
第6位:この人物を演じた女優は、2回オスカーを受賞した。映画監督でもある。
第7位:「クリード チャンプを継ぐ男」(2015)では、主人公のトレーナーを務めた。
第8位:「エイリアン: コヴェナント」(2017)のその後を描いた映画に登場したパワフルな女性。
第9位:ウィル・スミス主演の「素晴らしきかな、人生」(2016)と同じタイトルの映画に登場した。
第10位:ニコール・キッドマン主演の「アラビアの女王 愛と宿命の日々」(2015)にも登場した。
【解答】
第1位:アティカス・フィンチ
「アラバマ物語」(1962)に登場する田舎町メイカムで働く正義感溢れる弁護士。映画は、人種差別が横行するアメリカ南部の町を舞台に、黒人容疑者の弁護を担当したアティカスの奮闘を描いている。アティカスを演じたグレゴリー・ペックは、本作を含め、アメリカ映画で多くのヒーローを熱演し、「アメリカ映画の良心」として尊敬を集めた。
第2位:インディアナ・ジョーンズ
「レイダース/失われたアーク《聖櫃》』」1981)に登場する恐れ知らずの冒険家。映画は、神秘的な力を宿していると言う十戒の破片を納めた聖櫃をめぐり、ナチスと対決するインディ・ジョーンズの冒険を描いている。インディを演じたハリソン・フォードは、他にも刑事や政治家、医者役でも器用にクションをこなした。
第3位:ジェームズ・ボンド
「007 ドクター・ノオ」(1962)に登場するイギリス秘密情報部(MI6)の工作官。映画は、MI6のスパイとして、悪の組織の陰謀を阻止しようとするジェームズ・ボンド(007)の活躍をスマートに描いている。これまでに6人がボンドを演じ、初めてボンドを演じたショーン・コネリーは「アンタッチャブル」(1987)でアカデミー助演男優賞を受賞した。
第4位:リック・ブレイン
「カサブランカ」(1942)に登場するモロッコの都市カサブランカにある酒場の経営者。映画は、リックが、かつての恋人イルザと再会したことで燃え上がった恋愛をロマンティックに描いている。「君の瞳に乾杯」など、いくつもの名台詞を生んだアメリカ映画を代表する名作である。
第5位:ウィル・ケイン
「真昼の決闘」(1952)に登場する責任感の強い保安官。映画は、4人の悪人と戦おうとするも、町の人々から協力を拒まれ、たった1人で立ち向かうことになった保安官の活躍と孤独を描いている。小泉純一郎やビル・クリントンなどの政治家が好きな映画に上げていることで有名である。
第6位:クラリス・スターリング
「羊たちの沈黙」(1991)に登場するFBI女性捜査官。映画は、犯罪者であるハンニバル・レクター博士とともに、連続殺人犯バッファロー・ビルを行方を追うクラリスの活躍をサスペンスフルに描いている。クラリスを演じるジョディ・フォスターは、本作と「告発の行方」(1988)でアカデミー主演女優賞を2度受賞し、映画監督としても活躍している。
第7位:ロッキー・バルボア
「ロッキー」(1976)に登場する根は優しいけど不器用で芽の出ないボクサー。映画は、無名ボクサーのロッキーと、世界チャンピオンのアポロとの対決を情熱的に描いている。アメリカン・ドリームを描いた映画として世界的に知られているアメリカ映画を代表する傑作である。
第8位:エレン・リプリー
「エイリアン」(1979)に登場する宇宙貨物船ノストロモ号の二等航海士。映画は、リプリーらノストロモ号の乗員たちと、謎の生命体エイリアンとの死闘をスリリングに描いている。リプリーは、男性に負けず劣らず、勇敢に脅威を立ち向かう戦う映画ヒロイン像を確立した映画史的にも重要なキャラクターである。
第9位:ジョージ・ベイリー
「素晴らしき哉、人生!」(1946)に登場する、人のために全てを尽くしてきた献身的な男性。映画は、そんなジョージがあることが原因で自殺を図ろうとした際、天使が来て、ジョージの人生を振り返っていくという内容。アメリカのクリスマス・シーズンによく放送される定番の映画とされている。
第10位:トーマス・エドワード・ロレンス
「アラビアのロレンス」(1962)に登場する実在の人物。映画では、アラブ独立闘争の中でイギリス軍人のロレンスの活躍と苦悩を重厚に描いている。ニコール・キッドマン主演の「アラビアの女王 愛と宿命の日々」(2015)にも登場する。
解答:第12問(記述:合計30点)
「別離」(2011)や「セールスマン」など、イラン映画の名作を生み出したアスガー・ファルハディ監督が選んだオールタイム・ベスト映画10を答えよ。
※オールタイム・ベスト10はイギリスの“Sight & Sound”誌が特集した世界の映画監督のオールタイム・ベスト10参照
※1問正解につき、3点。
※ヒントは下記。
【ヒント】
第1位:原作は、芥川龍之介の短編小説。日本が初めてアカデミー賞の“ある部門”を受賞した。
第2位:暴力的な男と無垢な女の不器用な心の交流を描いた切ない愛の映画の名作。
第3位:この映画の三作目に出演したある女性は第70回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した。
第4位:ドイツのヴィム・ヴェンダースや台湾の侯孝賢など世界の巨匠に愛された日本映画。
第5位:アカデミー賞で作品賞を受賞した都会派コメディの傑作。
第6位:ポーランドのある巨匠が晩年に撮った“ある三部作”の三作目。
第7位:気が弱く見た目も弱々しいのに悪いことばかりしている男を描いたブラック・コメディ。
第8位:スウェーデンを代表する巨匠が撮った夫婦の対話を描いた元はTVドラマだった家族映画。
第9位:不眠症を患うベトナム戦争帰りの元兵士の狂気の目覚めと暴走を描いたサスペンス映画。
第10位:歯車に巻き込まれるシーンなど名場面が多い資本主義社会を風刺したサイレント映画。
【解答】
第1位:「羅生門」(1950)
製作国:日本
監督:黒澤明
解説:
芥川龍之介の「藪の中」と「羅生門」を原作に、独自の脚色を経てダイナミックに描かれた日本映画を代表する巨匠、黒澤明の心理サスペンス時代劇。アカデミー賞では、日本映画で初めて名誉賞(外国語映画賞)を受賞した。
第2位:「道」(1954)
製作国:イタリア
監督:フェデリコ・フェリーニ
解説:
暴力的な大道芸人のザンパノと純真なジェルソミーナとの交流を描いたロード・ムービー風の人間ドラマ。対照的な男女の関わりを通して人間性の回復や、人を思いやることの大切さを情緒豊かに描いたイタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニの名作。
第3位:「ゴッドファーザー」(1972)
製作国:アメリカ
監督:フランシス・フォード・コッポラ
解説:
誰もが知っているであろうアメリカ映画を代表する名作にして、人間ドラマの最高傑作。イタリア系マフィア一家の生き様を重厚に描いている。本作の三作目に出演したコッポラ監督の娘ソフィア・コッポラは後に監督として活躍している。
第4位:「東京物語」(1953)
製作国:日本
監督:小津安二郎
解説:
黒澤明や溝口健二と並び称される巨匠、小津安二郎が手がけた人間ドラマの傑作。日本映画を代表する名作として名高く、アメリカのジム・ジャームッシュやドイツのヴィム・ヴェンダース、台湾の侯孝賢(ホウ・シャオシェン)など、世界中の映画作家に愛されている。
第5位:「アパートの鍵貸します」(1960)
製作国:アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー
解説:
都会的でオシャレなコメディ映画を数多く手がけてきた巨匠ビリー・ワイルダーの代表作。出世のために自身のアパートを上司に貸し出すサラリーマンの悲哀と恋物語を鮮やかに描いている。個性派のジャック・レモンとシャーリー・マクレーンが主演し、アカデミー賞では作品賞を受賞した。
第6位:「トリコロール/赤の愛」(1994)
製作国:フランス・ポーランド合作
監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
解説:
ポーランド映画の鬼才クシシュトフ・キェシロフスキが「自由(青)・平等(白)・博愛(赤)」をテーマに“トリコロール”三部作を製作し、本作は「博愛」をテーマにした三部作の三作目にあたる。キェシロフスキ晩年の名作。
尚、よく映画監督のオールタイムベストではよく同じくポーランド監督のアンジェイ・ワイダの「灰とダイヤモンド」が挙げられる。ましてやヒントがある三部作のが三作目を示していたので、「世代」「地下水道」「灰とダイヤモンド」からなる「抵抗三部作」を連想するかもしれませんが、晩年の作品ではないのでNG。
第7位:「泥棒野郎」(1969)
製作国:アメリカ
監督:ウディ・アレン
解説:
コメディ映画の巨匠ウディ・アレンが監督・主演を務め、気が弱く見た目も弱々しいのに犯罪ばかりに手を染めていく男を描いたハチャメチャなブラック・コメディ映画。
ちなみに、この作品はブンブンが初めて観たウディ・アレン監督作です(中学2年生の時に観て、面白かった記憶があります)。
第8位:「ある結婚の風景」(1974)
製作国:スウェーデン
監督:イングマール・ベルイマン
解説:
スウェーデン映画の巨匠イングマール・ベルイマンが、夫婦の関係性や男女間の性差などについて対話形式で描いた家族映画。元は5時間に及ぶTVドラマ・シリーズだったが、好評を呼んだので再編集され劇場公開された。スウェーデンでは社会現象になり、その年の離婚率が上がったとか(?)。
余談だが、北欧映画には他に似たタイトルの作品がいくつかあります。
まずベルイマンが脚本を務め、「ペレ」のビレ・アウグストが監督した「愛の風景」。こちらもテレビの再編集の3時間映画。こちらの方がパルム・ドールを獲っていることもあり、オールタイムベストに入れている監督も多い。
もう一つは、「未来を生きる君たちへ」でアカデミー賞外国語映画賞を受賞した女性監督のスサンネ・ビアが手がけた「ある愛の風景」があります。こちらは、「未来を生きる君たちへ」の原点的作品で、ハリウッドリメイクされています。
それにしても、映画人によるオールタイムベストではかなりの確率でベルイマンを入れてくるのですが、選んでくる作品がメチャクチャばらけます(外国人監督で小津安二郎作品を選んでいたら95%「東京物語」、溝口健二は同様に「雨月物語」、フェリーニは8割「道」、タルコフスキーなら7割ぐらいの確率で「アンドレイ・ルブリョフ」を選びます)。ブンブンもベルイマンは好きな監督の一人で、自分のオールタイムベスト9位に「仮面/ペルソナ
」を入れています。
※チェ・ブンブンのオールタイムベスト100はコチラ
第9位:「タクシードライバー」(1976)
製作国:アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
解説:
ベトナム戦争の影響か不眠症を患った元兵士が、都会の夜の闇に渦巻く欲望や社会の退廃ぶりの中で狂気に目覚め、暴走していく過程を凄絶な映像表現で描いたアメリカン・ニューシネマの傑作。
「ジョニーは戦場へ行った」(1971)や「ジェイコブス・ラダー」(1990)ではありません。
第10位:「モダン・タイムス」(1936)
製作国:アメリカ
監督:チャールズ・チャップリン
解説:資本主義社会になっていくにつれて、仕事の機械化が急速に進んでいった当時の社会を風刺したチャールズ・チャップリン監督・主演による傑作サイレント映画。
最後に…
いかがでしたでしょうか?全然わからなかった?そんなに落ち込まなくても大丈夫。基本的に毎回、各チーム40点ぐらいです。今回のイベントの最高得点も63点なので解けなくても問題ありません。寧ろ、激ムズ映画クイズを通じて貴方の映画欲が刺激されれば光栄です。
次回「第7回映画の“ある視点”について語ろう会」は2018年1,2月、2017年映画ベストテンをテーマに行う予定です。(もしかしたら、今秋に別のテーマで行うかもしれません)もし、激ムズ映画クイズに挑みたくなったら、あるいは映画についてDOPEに話したくなりましたら、Peatixより申し込んでください。
それでは!
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