【ホン・サンス特集】「自由が丘で」これは加瀬亮版「ラ・ラ・ランド」であり「メッセージ」だ!

自由が丘で(2014)
자유의 언덕(2014)

監督:ホン・サンス
出演:加瀬亮、ムン・ソリ、
ソ・ヨンファ、キム・ウィソンetc

評価:80点

Netflixに3本ホン・サンス監督作品がアップされていた。ホン・サンスはシネフィルの間で知る人ぞ知る韓国の巨匠。ほぼ毎作、世界三大映画祭に出品され(今年はOn the Beach at Night Aloneがベルリン国際映画祭へ、Claire’s CameraとThe Day Afterがカンヌ国際映画祭に出品されている。)、カイエ・ドゥ・シネマもべた惚れした映画監督です。そんな彼の監督作、実はブンブン昨年の東京国際映画祭で「あなた自身とあなたのこと

」を観たぐらいの初心者。果たして…

「自由が丘で」あらすじ

かつての韓国人の恋人クォンを追って、ソウルにやってきたモリ。
しかし、なかなか彼女に会えずもんもんとする…

加瀬亮版「ラ・ラ・ランド」であり「メッセージ」だった!

ホン・サンスはどうやら、かなり変わった作品を作るらしい。「あなた自身とあなたのこと」では、「記憶の曖昧さ」を恐ろしい愛の形として描いていました。本作は「時間の曖昧さ」を恐ろしい愛の形として描いています。

主人公のモリは昔の恋人のことが忘れられず、ソウルにやってくる。ゲストハウスと彼女の面影ある場所を往復する。とにかく女々しい。そんなモリは吉田健一の「時間」という本を持っている。そんなモリに対し韓国の人々は、「あなたは仕事で韓国に来たのですか?それとも休暇で?」と訊く。ホン・サンスは「あなた自身とあなたのこと」同様反復の作用を非常に効果的に使っている。何度も「あなたは仕事で韓国に来たのですか?それとも休暇で?」と人々がモリに尋ねるシーンを挿入することで、観客にデジャブを植え付ける。そして、モリの毎回違った反応にどこか心地よさを覚える。

そして終盤あることに気づくのです。「本作は時系列がバラバラだ!」ということに。時系列バラバラと言えば、クエンティン・タランティーノの「パルプ・フィクション」を思い浮かべる。あの作品は露骨に時系列バラバラなことが分かる作品となっていた。しかし、「自由が丘で」は多少の違和感こそあれど、基本的には時系列順に見える作りになっている。しかし、恋人と再会するシーン前後で本作のトリックに気づくのです。と同時に背筋が凍る恐怖も体感します。というのも、実はモリは恋人に会えなかったのでは?という推測ができるからです。まさに「ラ・ラ・ランド

」を思わせる恐ろしい愛の形に圧倒されました。また、時間の概念が「メッセージ

」さながら美しく描かれており、たった60分くらいの作品にも関わらずブンブンの心を鷲掴みにしました。

どうやら、ブンブンはホン・サンスに嵌まったようですw

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