【ジョナサン・デミ追悼】遺作「ジャスティン・ティンバーレイク+ザ・テネシー・キッズ」感想

ジャスティン・ティンバーレイク+
ザ・テネシー・キッズ(2016)
JUSTIN TIMBERLAKE + THE TENNESSEE KIDS(2016)

監督:ジョナサン・デミ
出演:ジャスティン・ティンバーレイク,
ザ・テネシー・キッズ

評価:55点

昨日、巨匠ジョナサン・デミが食道がんと心臓病で亡くなった。享年73歳。
ジョナサン・デミ監督と言えば、ロジャー・コーマンの門下生であり、後に「羊たちの沈黙」でアカデミー賞5冠を達成した監督です。また、あの鬼才ポール・トーマス・アンダーソンが尊敬している監督でもあり、彼は「メルビンとハワード」のオマージュを「ブギーナイツ」や「マグノリア」、「ザ・マスター」などに織り交ぜている(ほぼ毎回じゃん)。
そんなジョナサン・デミ監督は音楽ドキュメンタリーを多数製作していたことはご存じだろうか?
ニール・ヤングのドキュメンタリーだけでも「ニール・ヤング/ハート・オブ・ゴールド 〜孤独の旅路〜 」「Neil Young Trunk Show」「ニール・ヤング/ジャーニーズ」の3本作られている。
またNetflixにはトーキング・ヘッズを熱かった「ストップ・メイキング・センス」とジャスティン・ティンバーレイクのワールドツアー最終公演を扱った「ジャスティン・ティンバーレイク+ザ・テネシー・キッズ」が挙がっている。

今回、彼の遺作でもある「ジャスティン・ティンバーレイク+ザ・テネシー・キッズ」を観てみた。

「ジャスティン・ティンバーレイク+ザ・テネシー・キッズ」概要

アイドルから一流シンガーになった男ジャスティン・ティンバーレイク。
そんな彼のワールドツアー最終公演を撮り収める。

ブンブンのライブ映画論

ブンブンは音楽ドキュメンタリーとライブ映画は別物だと考えている。完全持論だが、音楽ドキュメンタリーは、あるアーティストの人生ないし軌跡や知られざる物語をいかに面白く展開していくかが重要だと思う。一方、ライブ映画は、ライブ会場の臨場感や熱気をいかに伝えられるかが求められる。極論、全くそのアーティストについて知らなくても好きになってしまうような演出が求められる。

丁度ブンブンが映画に嵌まり始めた頃に、名前だけしか知らなかった「ザ・ローリング・ストーンズ」を、新宿武蔵野館で観た「シャイン・ア・ライト」を通じてライブに行くほど好きになった経験がある。「未知のアーティストを好きになる瞬間」を大切にしたいため、結構わざと知らないアーティストのライブ映画を予習なしで観ることが多い。

今回も、「ジャスティン・ティンバーレイク誰それ?」という感じで観てみた。結論から言うと、iPhoneに曲を入れる程好きにはならなかった。しかし、観ていて楽しかった。

マーティン・スコセッシの「シャイン・ア・ライト」は、「ザ・ローリング・ストーンズ」と同じく監督の存在感を魅せつけられる。なめるようなカメラワークに、全編通してクライマックス感をバリバリ利かせる演出。スコセッシ印な映像だった。

それに対しジョナサン・デミは謙虚です。カメラワークの主張は少ない。ジャスティン・ティンバーレイクのライブを魅せることに集中した映像が特徴的。悪く言えば、そこら辺のライブDVDと変わらない。

確かにプロジェクションマッピングとの融合演出を上手く映像に捉えていたり、躍動感のあるカメラワークで演出していたりするのでノリノリで90分楽しめた一方、それまでで終わってしまう。「シャイン・ア・ライト」を観た時のような、感情が外に出てしまいそうな程の興奮はなかった。

これが遺作か~と思うと残念です。「メルビンとハワード」

観たいな~

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