空族サーガ「国道20号線」は「バンコクナイツ」への架け橋だった!

国道20号線(2007)

監督:富田克也
出演:伊藤仁、りみ、
富田克也etc

評価:85点

現在テアトル新宿で
満席続出の空族最新作
バンコクナイツ

」。

併せて、K’Sシネマで、
空族全作品特集上映が
開催されていたので
行ってきた。

空族はDVDを作らない団体
だけに初期作が観られるのは
かなり嬉しいぞ!

「国道20号線」あらすじ

国道20号線沿いの郊外地方都市を
舞台に、スロットとシンナーに
溺れる未来なき若者が、
タイに憧れるオザワと
一緒にタイに飛ぶ資金を
集める…

映画芸術を見直した!

「サウダーヂ」「バンコクナイツ」と
空族に魅せられた私は、
特集空族サーガ「国道20号線」監督
トークショー付きを観に行った。

トークショーで驚いたことは、
2007年にアップリンクで公開した際、
初日客3人、客0休演もあるぐらい悲惨で、
身内のさくらを投入しまくっていたとのこと。
僕の調べだと、2007年映画
芸術ベストテン9位にランクインしているだけに、
すげーと思った。
嫉妬権力振りかざし
老害映画賞として有名な映画芸術だが、

真利子哲也
(「イエローキッド」が2010年ベストテン
5位)、濱口竜介
(「PASSION」が
2008年ベストテン5位)
などを
いち早く発掘している点
やはり凄いなと感じる。
(「国道20号線」どんだけ
映画芸術会員の人観て、
高順位に入れたんだ?)
私が「国道20号線」
公開当時(中1の頃)観ても
凄さはわからなかったろう。

「バンコクナイツ」の序章

さて、肝心な「国道20号線」は
サウダーヂ

」「バンコクナイツ」の
前日譚のようなもの。
ダークな「ズートピア

」だ。

シンナーとカジノに溺れ、社会は不況、
未来なき若者が、タイという楽園夢見て
資金を稼ぐ話。

「サウダーヂ」「バンコクナイツ」を
観た人は知っている。
タイに行っても、精神が変わらなければ
そこはユートピアではなく
ディストピアだということを。

「ズートピア」のジュディも、
ユートピアだと思ってズートピア
にやってきたら実は、
案外酷くてげんなりしていた。

本作は何もタイの現状を知らず、
タイという幻想に取り憑かれる痛みが、
16ミリカメラで2007年にしても
古すぎる世界観に閉じ込められる。
低予算故、社会、時代に
取り残された若者の痛みが
伝わる傑作であった。

それにしても、主人公ヒサシを
演じた伊藤仁のシンナーシーンは
シラフで撮ったとのことだが、
撮影当時、富田監督は
伊藤仁に「シンナー吸って演技がしたい」
と懇願されて困ったとのこと。
でも実際の演技はまるで本当に
吸っているかの如くリアルでしたw

例のごとく、空族映画はDVDを作らないので
今K’Sシネマで鑑賞することを
オススメします。

P.S.「バンコクナイツ」のサントラ

3/20に「バンコクナイツ」の
サントラが発売されるとのこと。
定価2500円(税抜)。
パッケージが凄い
カッコイイので
買おうかなー

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