T2 トレインスポッティング(2017)
T2 Trainspotting(2017)
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー、
ジョニー・リー・ミラー、
ロバート・カーライル、
ユエン・ブレムナーetc
評価:75点
ベルリン国際映画祭でも上映されている映像の魔術師
ダニー・ボイルの新作にして
伝説的映画の続編
「T2 トレインスポッティング」を
日本公開は4/8(土)と
まだまだなのですが、
マルタ島Eden Cinemaで
一足早く鑑賞してきました。
(映画館レビューは後日)
「T2 トレインスポッチング」あらすじ
あれから20年、ジャンキーなシック・ボーイ、
スパッド、ベグビーは
大金を持ち逃げした
レントンの帰還で
再び一つになると思いきや…
衰えぬドラッグムービー
ブンブンが旅行中にネットでは、「けものフレンズ」と呼ばれる
アニメが流行っているようで、
なにやら一度観ると、
「わーい!」「すごーい!」
「たーのしー!」と言った
言葉しか出なくなるほど
ドラッグなアニメなんだそうだ。
そう考えると、
何人もの人を映画中毒に
させた伝説的ドラッグ映画
「トレインスポッティング」の
続編はまさしく
「わーい!」
「すごーい!」
「たーのしー!」な作品だ。
言葉を失う程に
ダニーボイルの手数とやらを
片っ端から見せつけられます。
続編ということだけに、
「あれから20年も経ち、
ドラッグ漬けだった俺たちは
家族を養い、四散バラバラ、
ネットという新手の
ドラッグにも溺れながら
侘しく退廃な生活送ってるぜ!
ただ、大金を持ち逃げした
あいつが帰ってくるだと…
ゆるさねぇ!」
というこれ以上ない
下処理を済ませた
上でこことぞばかりの
映像実験を繰り広げている。
とあるメカから、
とある日本文化まで、
その手があったか!
こういう撮り方真似たい!と
思うシーンの連続なので、
まさにインスピレーションの
塊と言えよう。
当然ながら、映像の魔術師
ダニー・ボイルだけあって、
前作で使ったような
映像テクニックは基本
使わない。リップサービス的
シーンの二番煎じもほとんどなく、
2017年の今だからこそ出来る
映像演出で観客を
未知なるドラッグ世界に没入
させることに成功しています。
また、ストーリー面に関して、
もう少し語ると、
バカなジャンキーが
20年も経ち少し大人になる話
なんて馬鹿げた続編に
なっていないところが
素敵です。
20年経っても
200%バカを突っ走る。
特にユエン・ブレムナー扮する
スパッドとロバート・カーライル
扮するベグビーが
情事イカれていてステキでしたw
この爽快さはまさしく
観るものに幸福を与える
映画ファンの為のご褒美
といえる作品なので
4/8(土)は是非劇場で
彼らに会いに行ってやってくださいw
2/21更新「T2 トレインスポッティング」
が傑作な訳
映像の洪水だったので、
暫く頭を冷やして考えたのだが、
やはり「T2 トレインスポッティング」
は大傑作と言えよう。
町山智浩曰く、前作の
「トレインスポッティング」は
スコットランドの凄惨さをリアリズム以外の
方法で描いた作品とのこと。
確かに、リアリズムで描くのなら
ケンローチ先生に任せとけばいい。
クラクラするような映像にすることで
逆説的にスコットランドの経済的、
心理的貧困をリアリズムに描くことに成功している。
続編では、「トレインスポッティング」
の4人が、20年経ってもジャンキーで
経済的心理的貧しさを脱せてない。
言わば「トレインスポッティング」の
世界観からスコットランド人の歴史、
凄惨な人生が浮かび上がる作りになっている。
特に象徴的なのが、
前作でベグビーから金を奪って逃げた筈の、
退廃な生活から脱出し希望の光を
魅せたレントンが
スコットランドに引き戻されるところにある。
宿命に抗えない、逃げよう逃げようと
思っていても暴力的で無な場所に
引き戻される哀しさは
中上健次の「岬」さながらだった。
参考資料
本作は前作を観てから、しっかり予習してから観ることを
オススメします。
町山智浩さんがいい
解説をしていますよ。
おまけ:Youtubeラジオ
Youtubeラジオでも解説しています。もちろんネタバレなしです。
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