名誉市民(2016)
El ciudadano ilustre(2016)
監督:ガストン・ドゥプラット,
マリアノ・コーン
出演:オスカル・マルティネス,
ダディ・ブリエヴァetc
評価:75点
」第五話「愚息」
にて父親役を演じた
オスカル・マルティネスが
第73回ヴェネチア国際映画祭で
男優賞を受賞した
「名誉市民」がラテンビート映画祭で
上映されていたので観てきました。
ラテンビート映画祭はスペイン語圏
を舞台にした作品を
上映する映画祭で、
毎年この時期に新宿バルト9で
開催されます。
昨年は、
・「ザ・クラブ
」
・「土と影
」
の三作品を観ました。
今年はヴェネチア国際映画祭関連作2本
「名誉市民」と「彼方から」を
観てきましたので感想をアップします。
(「彼方から」は明日アップします。)
「名誉市民」あらすじ
ノーベル文学賞を受賞したダニエル・マントヴァーニの
元にアルゼンチンの故郷
サレスから「名誉市民」パーティの
お知らせが届く。
普段はこの手のイベントには不参加なのだが、
心惹かれ単身で赴くことにする。
40年ぶりにサレスにいくと…
爆笑の田舎コメディ
本作は架空のノーベル文学賞作家
ダニエル・マントヴァーニの
珍道中をドキュメンタリータッチで
魅せることで等身大の
田舎ライフを、文学人ライフを
観察できる内容になっている。
アルゼンチン・サレスは
有名人一人としておらず、
ご近所同士の馴れ合いで成り立っている
言わばムラ社会。
そんな、サレス出身者が
ノーベル賞を受賞したと
聞いて現地民はお祭り騒ぎ!
「脳みそ料理作ったから食べに来てね☆」
「おっす!俺お前の同級生だったの覚えている?
お前の好きだった女は…俺のモンに
なったZEヒャッハー!」
「一狩りいこーぜ♪」
と野蛮すぎる抱擁に
ダニエルさん苦笑い。
でもよくあることだからと、
威厳ある感じで接する。
しかし、村人の行動はエスカレートし、
絵画コンクールの審査で八百長を
してほしいと言われたり、
何故か自分のホテルの部屋に
素っ裸の女が遊びに来たりして、
フラストレーションが溜まりまくり
ついには爆発してしまう…
本作は「事実は小説よりも奇なり」、
ノーベル賞作家の爆笑旅行を
後ろから観察することで、
ノーベル賞作家も結局
一人の人間でしかないこと。
「閉鎖的なムラ社会とグローバルに
活躍する者」の相容れない関係を
風刺した深い作品になっている。
これはアカデミー賞アルゼンチン代表も
納得の傑作だが、日本公開は作風的に
厳しそうだ。
しかし!
東京国際映画祭(TIFFJP)で一応3回上映されます!
スケジュールは
・10/26(水)15:20 TOHOシネマズ六本木
・10/28(金)21:05 EXシアター
・10/31(月)10:20 TOHOシネマズ六本木
です。
今、チケット発券トラブルで大炎上中だが、
もし興味あるのであればこの作品は押さえよう!
2017/6/21更新 日本公開決定
「名誉市民」が「笑う故郷」という邦題で2017年秋に岩波ホールにて公開することが決定しました!!
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