【実話】2017年1月公開「スノーデン」オリバーストーンよ、コレはアカン!

スノーデン(2016)
SNOWDEN(2016)

スノーデン

監督:オリバー・ストーン
出演:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット,
シェイリーン・ウッドリーetc

評価:45点

先日紹介したスウェーデンの
シネコンFilmstaden Scandinavia

でオリバー・ストーンの
「スノーデン」を観てきました。

元CIA職員である
エドワード・スノーデン
が、アメリカが組織ぐるみで
盗聴行為をしていたことを
「ガーディアン」誌に告発し、
ロシアに亡命するまでを描いた作品で、
数年前のアカデミー賞において彼の
ドキュメンタリー「シチズン・フォー」
受賞しているだけに期待度が高い作品。

ましてやシリアスドラマが得意な
オリバー・ストーンときたので、
次のアカデミー賞候補作でもある。

果たして…

「スノーデン」あらすじ

エドワード・スノーデンが2013年6月に
「ガーディアン」誌に対しアメリカ国家安全保障局の
機密情報を開示、アメリカ政府が一丸となって
盗聴行為していたことを告発する。

何故、彼は命がけの告発を
しなくてはならなかったのかを
時系列を入れ替えながら描いていく…

説得力がなさ過ぎ

「シチズン・フォー」を観ていないのでなんとも
言えないのだが、香港の独占インタビューを
ドキュメンタリーでやっている「シチズン・フォー」
の方が遙かに上手だろう。

この「スノーデン」は、彼の心情変化を
描くために時系列シャッフル方式が
取られているのだが、明らかに失敗している。

なんたって、時系列をバラバラにする
理由づけがないのだ。

エドワード・スノーデンはCIAに
入ってからすぐに、国家の
監視システムに疑問を抱き、
すぐさま告発しようとするのだが、
そここそしっかり描くべきである。

例え、すぐにアメリカ政府が
やっている盗聴行為がヤバイことに
気がついたとしても、
スノーデンは元々CIA職員。
つまりある程度はそういうスパイ
行為が行われていることは察しがつく。
スパイ活動をすることを理解して
職員になったはずである。
なので、当然ながら
心の葛藤はあったはず。

それが映画版だと全くもってないのだ。

時系列をわざわざバラバラにする
意味は、スノーデンの心情変化を
2つの時間軸から浮き彫りにさせる
ことであるのだが、それが
かなり失敗に終わっている。
2013年の「スティーブ・ジョブズ」
のようにエピソードを追っている
だけにしか見えないのだ。

致命的なミス

また、本作はCIA本部から
情報を抜き出し、
香港へと逃亡する様子が
目玉として描かれているのだが、
その肝心なCIA脱出シーンの
描き方が酷い。

検問を抜けたとたん笑顔になる
ヤツがいるか?
バレるぞ!
監視カメラに敏感なスノーデンが、
情報やコンピュータのプロが、
あそこで笑うはずがありません。
これは致命的なミスと言えよう。

でも、プログラミングシーンはGOOD!

ただ、本作が凄いのは
ハッキングやプログラミングのシーンが
しっかり作り込まれている点だ。

例えば、
スノーデンがCIAに入って、
最初の演習シーン。
職員それぞれ、ベルリンやバンコク等
各都市の架空サーバーが宛がわれ、
セキュリティを構成するプログラミング
競争をさせる。

また、盗聴に関しては
データベースのプログラミングを
直接行うのではなく、
すでにCIAで開発した端末に
特定のコードを入れ込むと
入手できる。

そして、巨大スクリーンに
映し出されるアクセス経路など
とにかく、スパイ行為のための
様々なツールを魅せてくれるので
これは面白い。

情報科の教育実習を行った
ブンブンにとって非常に
興味深い内容でした。

日本公開は2017年1月。
観ようと思っている方は、
事前に「シチズン・フォー」を
観ておくことをオススメします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です