シシリーの黒い霧(1961)
Salvatore Giuliano(1961)
監督:フランチェスコ・ロージー
出演:フランク・ウォルフ、
サルヴォ・ランドーネetc
評価:50点
以前、当ブログで
「グランドフィナーレ」
を
紹介した際、
「今回はフェリーニよりも
フランチェスコ・ロージー
に愛を捧げている」と書いた。
ということで、フランチェスコ・ロージー
の「シシリーの黒い霧」を観たぞ~
残念ながらパルムドールを
獲った「黒い砂漠」は未DVD化な
為かamazonで入手できなかったので、
こちらにしたぞ。
「シシリーの黒い霧」あらすじ
中庭で、義勇軍のサルバトーレ・ジュリアーノが死亡した。
その背景には政府、義勇軍、マフィアの
三角関係が絡んでおり、
事件の真相は闇に埋もれようとしていた…
予想外の使われ方
ストーリー的に
「グランドフィナーレ」と
全く違うので、本作からのオマージュは
ないんだろうなと思っていたら、
なんと!ありました。
イタリアの広大な草原を
映すシーンの構図、
音楽が淡々と流れる
部分がそっくりだったのだ!
びっくりしました。
少し厄介なストーリー
本作は、「仁義なき戦い」に近い
荒々しいドキュメンタリータッチ。
ナレーションスタイルで
事件の真相を語るのだが、
結構頻繁に現在と5年前、事件当日を
行き来する。さらに、登場人物の
顔に強烈なインパクトが
ないため、誰が誰だか判らなくなってくる。
三角関係が面白い
しかし、粘り強く観ると、
政府と義勇軍とマフィアの
絶妙な三角関係が見えてくる。
最初、マフィアはファシスト政権の
政府からの侵略を防ぐために
義勇軍に協力し、
自警団として国民を守っていた。
そして、シシリー防衛に成功
街は平和になった。
そうなると、マフィアにとって
義勇軍は無用なものになり、
憲兵隊につくようになる。
この嫌らしいマフィアの
構造がよく描けている。
そして怖いと思う。
なんたって、裁判までもを
マフィアが裏工作して、
真実が明かされないように
しているのだから。
白黒で、見づらい作品かも
知れないが、「グランドフィナーレ」
を気に入った人は一見の価値ある
作品だぞ!
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