後妻業の女(2016)
監督:鶴橋康夫
出演:大竹しのぶ、豊川悦司、
尾野真千子、長谷川京子、
笑福亭鶴瓶etc
評価:85点
「愛の流刑地」の鶴橋康夫が直木賞作家・黒川博行「後妻業」
を映画化!
大竹しのぶの妖艶な演技が
光る予告編に惹かれ
TOHOシネマズ日本橋で
観てきました!
ライムスター宇多丸の
ウィークエンドシャッフル
課題映画ですしね。
油断していたのだが、
なんと14:55分の回
満席になるほど混雑していました。
概ね、50代過ぎの老人夫婦が
多かったですよww
それではいってみましょう!
「後妻業の女」レビュー!!
「後妻業の女」あらすじ
後妻業=老人と結婚し、遺産を搾り取る犯罪。
婚活パーティを多数主催する男・
柏木亨は度胸があるオバハン
武内小夜子を金のある
老人のもとに差し向け、
遺産を搾り取っていた。
そんなある日、
いつも通りある老人から
遺産を搾り取ろうと
相続の手配をすると、
老人の娘が本気で
闘いを挑んできて、
凄腕探偵を仕向けてきた!
さて勝つのは
後妻業か娘か
仁義なき喜劇
とくとご覧あれ。
「ヤル側」「ヤラれる側」のバランスが絶妙!
本作は予告編を観る限り、
後妻業側の目線で描かれている。
しかしながら、実際に観ると
非常に均等に遺産を搾り取る側と
搾り取られ、反撃する側の
視点がバランス良く配合されている。
何を言いたいかというと、
葬式で必ず仁義なき戦いが
おこるといわれる「相続問題」
を、徹底的に掘り下げているのだ。
後妻業側が
「遺言状」を主人が用意したと言うと、
「遺留分は?(遺族に、均等に
遺産を配分するために、
一定割合の相続を
保証する制度)」と相手は
切り返す。
また、いくつもの案件を
受け持つために
武内小夜子は狙った老人
とは籍を入れないようにする。
やられた被害者は、
相続が全部後妻業に
取られないように、
老人の家に住むことで
対策する。
それぞれの攻防を
じっくり魅せてくれるのである。
確かに、ファンタジックな
内容なので実際の法律家の
専門家が観ると後妻業の
対処は甘いとは思うが、
(寝たきり老人
が死ぬ3年前からの
遺産譲渡、引き出しは
結構ヤバかった気がする)
この一本で相続問題について
凄い勉強になる優れものだ!
役者陣の演技が凄い!
そして、本作はコメディに
なっているのだが、大竹しのぶ
と豊川悦司、そして笑福亭鶴瓶など
登場人物は常に真顔だ。
なのに、ガチすぎる闘いに
どこかニヤリと笑わせられる。
例えば、豊川悦司が
永瀬正敏扮する
強すぎる私立探偵に
弱みを握られようとする場面。
お互いに一歩譲らぬ揚げ足の
取り合いをする。
そしてなんとか難を逃れると、
豊川悦司が「うわぁどうしよう」
とめっちゃ焦り始める。
平静ヤクザ感を保っているように
見えてメンタル弱すぎるところに
思わず爆笑してしまう。
そして、こんなトヨエツに対し、
大竹しのぶはどこまでも図太い。
完璧すぎる悪女…いや
最凶オバタリアンに
これまたニヤリが止まらない。
実は東映映画に見えて東宝製作だったことを
考えると、おいおい東宝無双しすぎ
だろ!!!!とテンションがさらに
上がる作品でした。
皆さんもくれぐれも、
後妻業やそもそもの
相続問題にお気を付けください。
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