“Ç”「ショック集団」B級映画の巨匠サミュエル・フラーの怪作

ショック集団(1963)
SHOCK CORRIDOR(1963)

ショック集団

監督:サミュエル・フラー
出演:ピーター・ブレック、
コンスタンス・タワーズetc

評価:70点

我が法政大学国際文化学部
には資料室というものがあり、
国文生なら資料を借りることが
できる。AVライブラリでは
借りることのできない映像資料も
ここでは研究目的と言えば
借りることができる。

そんな国際文化学部の
資料室はホントウに貴重な
作品が多く、
大島渚の「マックス・モン・アムール」
や「ゴダールのリア王」
などがある。
また、何故かドイツ映画が充実
しており、映画オタクでも知らない
ってかVHSしか存在しないような
作品まであるのだ!

そうこう探していると、
「101 CULT MOVIES」に紹介
されていた「ショック集団」
を見つけました!

B級映画の巨匠サミュエル・フラー
最高傑作と称されるものの、
TSUTAYAではまず発見できない
本作。借りて観てみましたよ~

「ショック集団」あらすじ

殺人事件の謎を解明したい、
ジャーナリストのジョニーは
自ら狂気を装い
精神病院に潜入。
患者の生の声を聞くことで
謎を解き明かそうとするが…

「アリス・イン・ワンダーランド/
時間の旅」の逆視点映画

先日、当ブログでも
紹介した「アリス・イン・ワンダーランド/
時間の旅」


あれは、アリスがファンタジー世界で
活躍する話でした。

しかし一般大衆からすると、
「アリスがファンタジー世界に
いる間、現実はどうなっているのだろう?」
と疑問が浮かぶ。

本作は、その解決策を見出してくれる。

なんと、アリス側の目線はあれど、
基本的に精神病院の人目線から
描かれているので、
いかにクレイジーかがよく分かります。

まず、ピーター・ブレックの演技が
ホントウに怖い。
精神病棟に入るぐらいの患者だからと、
意気込む主人公。それ故に、
最初からアクセルガンガン踏みならして、
病棟で暴れます。
ホントウに気でも狂ったのでは?
と思わせられる演技は
「シャイニング」のジャック・ニコルソン
さながら(あれはホントウに頭がおかしくなった
状態での演技だそうだが)です。

そして、周りの患者役もキテいますw
ニンフォマニアックな女性集団や、
KKKになりきる者、
荒れ狂った病棟で事件の
謎が解明できる訳がない。

しかし、彼らを観察していると、
空想の物語が進行しているように
見える。

ホントウに、「アリス・イン・ワンダーランド/
時間の旅」で時間旅行している時の
アリスってこうなんだろうな~
と思わざる得ませんw

突然のカラー、フジヤマ

さらに、本作のカオスなところは、
突然カラー映像になるところだ。
突然、映像がカラーに切り替わり、
日本の風景や遊園地、富士山が
ドキュメンタリータッチで
映される。

あまりの唐突さに怖くなります。

さらに底知れぬ恐怖を演出する為、
廊下のシーンはシンメトリーで
無機質な感じを醸し出しています。
まさに本作の原題が
「SHOCK CORRIDOR(ショック回廊)」
なのでピッタリな演出と言えよう。

一生に一度は観て損はない、
アリス好き必見の作品でした。

P.S.
本作を観て、ワン・ビン監督の
ドキュメンタリー「収容病棟」
ふと思い出した。

ブロトピ:映画ブログ更新

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です