ドゥ・ザ・ライト・シング(1989)
DO THE RIGHT THING(1989)
監督:スパイク・リー
出演:スパイク・リー、
ダニー・アイエロ、
サミュエル・L・ジャクソン
評価:95点
ブンブンの生涯指折りの
洋画にスパイク・リー監督の
「ドゥ・ザ・ライト・シング」がある。
パブリック・エネミー「FIGHT THE POWER」
と荒々しい色彩でポップに包んだ
映像の中で、黒人と白人、
プエルトリコ人と韓国人が
仁義なき戦いを繰り広げる。
あまりに挑発的な内容だが、
アート性とメッセージ性が
非常にバランスとれていて
DOPEで格好いい映画なのだ!
あのオバマ大統領もデートで
観たと言われる
本作を解説していくぞ!
「ドゥ・ザ・ライト・シング」あらすじ
ニューヨーク・ブルックリンは沢山の黒人で賑わっていた。
そんな黒人の行きつけのピザ屋は
イタリア系移民が経営。
ある日、トラブルメーカーの
ムーキーがそのピザ屋に
黒人の写真が掲げられていない
ことにいちゃもんをつけ、
それが発端で大暴動へと
つながる…
音楽が凄い!
本作品はポップな色彩に
ノリノリでDOPEな音楽が
重ねられているので一見すると
わかりにくいかもしれないが、
非常に政治的な音楽が
流れています。
中でもパブリック・エネミー
の「FIGHT THE POWER」
が
そうで、公民権運動後も
密かに残る差別
に対し、ヒップホップ
という表現の自由で
対抗した曲なのだ!
他にも「Don’t shoot me」といった
曲が搭載されているぞ!
「狩人の夜」オマージュ
「ドゥ・ザ・ライト・シング」の
最大の見所は、
ラジカセマンが、
LOVE&HATEのメリケンサックを
自慢するシーン。
なめるようなカットで、
ラジカセマンに迫り、
彼の愛と憎しみの
講義を聞くという展開
ブンブン大好きなのだが、
これには元ネタがあります。
それは1955年のカルト映画
「狩人の夜」だ!
相手の心に取り入るための
手段として、手に書いた
LOVEとHATEを魅せながら
講義するシーンが元ネタである。
この映画の
ロバート・ミッチャムの
怪演も凄いが、
彼から子どもを守ろうと
ショットガンを構えるリリアン・ギッシュ
の演技も光っていてすばらしい作品ですぞ!
公民権運動の放水を皮肉る?
一つ目は、炎天下で子どもたちが
道路で水遊びをするシーンの放水。
公民権運動中、黒人は警察官による
放水攻撃でいたぶられていた。
それから解放された平和を
象徴する放水だ。
二つ目は、暴動が発生し
ピザ屋が炎上!
消防車が消火しようとするが
黒人のガヤが邪魔で
黒人に向かって放水するシーンがある。
この描写が上手くて、
折角公民権運動で平和を
勝ち取ったのに、
黒人の憎しみが再び
公民権運動の時代に
逆戻りさせてしまう
皮肉が込められている。
ポップで、コミカル、
でも社会派で重い
真夏のこのドラマを
是非夏直前の今観てみてはどうでしょうか?
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