“Ç”【Bunkamura ル・シネマ特集】「ふたりのベロニカ」赤と緑が美しい…

ふたりのベロニカ(1991)
La Double Vie de Véronique(1991)

監督:クシシュトフ・キェシロフスキ
出演:イレーヌ・ジャコブ、
フィリップ・ヴォルテールetc

評価:60点

Netflix
で意外な作品を見つけたぞ!
その名も「ふたりのベロニカ」。
昔、大学の授業でさらっと観た
ポーランド・フランスの合作映画だ!

監督はトリコロール3部作で有名な
クシシュトフ・キェシロフスキ
(いっ言いづらいw)です。

果たして…

「ふたりのベロニカ」あらすじ

名前も生年月日も容姿も同じ、
ただ生まれた場所がフランス、
ポーランドと違うふたりの
ベロニカを巡る数奇な人生。

ポーランドのベロニカは、
歌の才能で人生を
掴もうとする。
フランスのベロニカは
小学校の音楽教師をしている。

そんな二人をある人形使い
が結びつける…

パラレルワールドを甘美な映像で追求

映像こそ赤と緑の強烈な色彩、
フランス文学のような流れるような
文体が映像から流れ出すと形容してしまう
ほど美しい演出にこそ騙されがち
だが、本作は至ってオーソドックスな
造りをしている。

ふたりの人間が、
ある怪しい人を介して
互いを知り、出会い
心を揺り動かされる話。
SF映画でよく見るタイプの
ストーリーだ。

しかし、本作が凄いのは、
ほとんど、ふたりのベロニカは
接触しない。というよりも
序盤でポーランドのベロニカが
死亡するのだ!

そして、フランスのベロニカが
心にぽっかり穴のあいた気分を
味わい、その謎解きをする
というのがストーリーの肝だ。

観客は神の目線で物事を見ている。
観客は、フランスとポーランドの
ベロニカを知っている。
真実を知っているだけに、
なかなか真実にたどり着けない
ベロニカにもどかしさを覚える。

また、小学校に巡礼に来た
人形遣いは、まさか自分の
持っている写真の女が、
自分の惚れた女が目の前に
いるとは!とドギマギし、
贈り物を贈る。
若干中学生かと思うほどの
シャイさに笑いつつも、
「実はあのベロニカじゃないんだよな~」
とニヤニヤする。

この神の目線を最大限に
楽しめるのが魅力的だ。

イレーヌ・ジャコブがかわいい!

「キャロル」

のルーニー・マーラの
ような華奢さと、ケイト・ブランシェット
のような落ち着いた雰囲気を両方
兼ね備えているイレーヌ・ジャコブ
がメチャクチャ可愛い♡

ドジッこな手つきと良い、
赤を基調としたファッションと良い、
マジで惚れます。

本作の一番の条件である、
「ベロニカは可愛い」を
よゆーでクリア!
カンヌ映画祭で女優賞を
受賞したのも納得だ!

Bunkamura ル・シネマ特集決定

来月7/9(土)~7/22(金)まで
渋谷Bunkamuraル・シネマ
にて
キェシロフスキ没後20年
特集「キェシロフスキのまなざし」が
開催されます。
トリコロール三部作から
「殺人に関する短いフィルム」、
「偶然」
といった、
今ではなかなかスクリーンで
観られない作品が上映されるので
是非観てみてください。
(「キェシロフスキのまなざし」特集サイト

)

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