“Ç”【カンヌ映画祭特集】ちゃんと推理します「プティ・カンカン(後編)」

プティ・カンカン(2014)
P’TIT QUINQUIN(2014)

監督:ブルーノ・デュモン
出演:アラヌ・ドゥラエ、リューシー・カロン、
ベルナール・プリュヴォストetc

評価:55点

昨日に引き続き、
ブルーノ・デュモンの
異色テレビシリーズ
「プティ・カンカン」の
感想を書きます。
(「プティ・カンカン(前編)」評はこちら

)

後編の感想

第3話L’diable in perchonne(人の中の悪魔)
第4話Allah Akbar!(アッラーは偉大なり)

後編からシュールを通り越して
狂気じみた、意地悪な展開へとなっていく。
一応、刑事たちによるアリバイ調べが本格的に
始まる。

アリバイを調べるために、バトン使いの
女の人等に片っ端からアリバイを取る。
「あなたは朝8時になにしてました?」
「寝てた」

みたいなやりとりが行われ、
ついに伏線回収かと思われたのだが、
そんなカイエ・ドゥ・シネマベストテンで
1位を獲る作品がそんな親切設計な
はずがない。

突如、本作のブロワ地方の
住民に似つかわしくない
アラブ人の男が出てきてから
事態は豹変する。
そのまま、第4話Allah Akbar!
(アッラーは偉大なり)という
非常に挑発的なタイトルと、
銃撃戦から幕を開ける。

のどかすぎる田舎町の
一軒家から警察に向かって
銃が放たれる。
間抜けな間を保ちつつ、
おとぼけポリスが、
なんとかして突入しようと
がんばる。

…増援呼べよと
言いたくなるほど、
どんだけこの町に
警察官少ないんだよ!

そしてジェットコースターの
ごとく次々と謎が明らかに
されていく。

しかし、あれっつ可笑しいぞ!
全然心がすっきりしない。
というのも、謎が解ければ
解けるほど、田舎町の問題
が明らかにされていく。

日本は村社会だと言われるが、
いやいや、フランスにもあるぞ
村社会が!

中上健次の小説のように、
部外者だけが知らない
謎が、部外者だけ蚊帳の外に
される恐怖が滲みでてくる。

なので、ラストも後味が
非常に悪い。
皮肉にも、本作の景色が
きれいな為
より一層ブルーノ・デュモン
の意地悪さが際立ってきます。

そして驚いたことに、
あんだけ個性的な役者が
たくさん出ていたのに、
ほとんどが素人
1年かけてキャスティングを行い、
つい最近まで庭師だった男
が演じてたりする。

こう考えると、
ブルーノ・デュモンの
役者をコントロールする
力の凄さに感動したぞ~

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