“Ç”「アノマリサ」チャーリー・カウフマン、人形劇に挑戦!

アノマリサ(2015)
anomalisa(2015)

アノマリサ 映画

監督:チャーリー・カウフマン、
デューク・ジョンソン
声の出演:デヴィッド・シューリス、
ジェニファー・ジェイソン・リー、
トム・ヌーナン

評価:70点

昨年のヴェネチア国際映画祭で
審査員特別賞
を受賞、
R指定アニメにも関わらず
アカデミー賞にもノミネートされた
「アノマリサ」を東京アニメアワード
フェスティバル2016
で観てきました。

「マルコビッチの穴」
「エターナル・サンシャイン」

など独特な世界観を生み出す脚本家
チャーリー・カウフマン
久しぶりの作品だ。

なんと字幕なし…

アノマリサ

なんと本作、上映直前に
映画祭プロデューサーからお詫びがあり、
海外の会社とトラブった為
字幕が間に合わずNO字幕での上映になる
とのことでした。
「アーロと少年」みたいな子供向けアニメ
ならまだしも、よりによってカウフマンの
完全大人向けアニメだったので残念。

ブンブンのしょぼい英語力と
長年の映画鑑賞眼を駆使して観ましたが
やはり難解で、いくつか間違えている
部分もあるかもしれませんがご了承ください。

「アノマリサ」あらすじ

カスタマー・サービス部門で
モチベーション・スピーカーとして名声を
得ているマイケルには悩みがあった。

それは、他人の声が聞き分けできず
どれも同じ人に聞こえてしまうことだ。
夢で時折、周りの人の顔までもが
見分けがつかなくなってしまうほど
に悩まされて疲れ切っている彼は
ある日、違った「声」を持つ女性にであう。

彼女は運命の人だと思った彼は、
ホテルの自分の部屋に彼女を
半ば強引に誘い込み一夜を共にする…

何故アニメで?

上のあらすじを読んだ方の頭には
無数の?が浮かんでいるだろう。
明らかにアニメ向きの作品ではないからだ。
普通、アニメってアニメの良さを
活かすためにファンタジーになる
傾向が強い。

日本は例外的でジブリ作品や、
学園ものの萌えアニメなど
結構人間ドラマをアニメで
描きなれており、
我々日本人もすっかりなれているが、
アメリカでこれは非常に珍しい。

しかし、本作はジブリアニメ以上に
アニメにする意味が強い話だ。

というのも、本作は
周りに無関心になることとは
なにかを強調する
手段としてアニメーション。
しかもストップモーションアニメが
使われているからだ

実写だったら難しい、何人もの
登場人物を一人の人間が演じたり、
また、顔のパーツを取る描写で
自分らしさが失われていく
様子を強調して描くことができる。

また、「アノマリサ」は一見
実写の人間ドラマで出来そうなことを
描きつつも、いびつな表現が
いくつも出てくるので、その驚きで
本作の本質に観客を引きずり
こむことに成功している。

例えば、セックス。
大人のおもちゃ屋シーン、
ホテルのトイレでの生々しい
主人公のペニス表現。
そしてセックスへと
本作での性表現はどんどん
加速していく。

運命の女を自分のもの
にすべく愛を注ぐが、
主人公の中のエゴが
強くなりすぎて、
運命の女の食事の仕方が
気になるようになってしまう。

この過程のいびつさこそ、
人間のエゴを皮肉る意味で上手く
描けている。

日本描写に注目

本作は、ユニークな日本描写が
2つ出てくる。
一つ目はタイトルでもあるアノマリサ。
てっきりanomalous=異常な
の変化系だと思っていたら、
日本語の「天上の女神」という
意味を持つ言葉から取られたとの
こと…アマテラスのことかな?

また、「ヘイトフル・エイト」の
ジェニファー・ジェイソン・リー

ある日本の童謡をラストに
歌うのだが、あまりにも脈絡なく
しかも下手だったので
かなりシュールでしたぞw

非常に凄い作品だが、
同時に非常に難解で
日本公開してほしいなと
思ったら、やはり興行収入
見込めないのかビデオスルーに
なってました。
興味ある方はDVDを買おう!

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