“Ç”「リリーのすべて」アリシア・ヴィキャンデル、主演女優じゃね説!

リリーのすべて(2015)
THE DANISH GIRL(2015)

リリーのすべて

監督:トム・フーパー
出演:エディ・レッドメイン、
アリシア・ヴィキャンデル、
ベン・ウィショーetc

評価:90点

先日アカデミー賞で、
本作のスウェーデン女優
アリシア・ヴィキャンデルが
助演女優賞
受賞した。
「英国王のスピーチ」、
「レ・ミゼラブル」と
傑作残しすトム・フーパー
の手腕とともに堪能してみたぞ~

「リリーのすべて」あらすじ

デヴィッド・エバーショフの小説
「世界で初めて女性に変身した男と、
その妻の愛の物語」原作

デンマークのコペンハーゲン。
画家として世間から評価されている
夫婦アイナーとゲルダは鴛鴦夫婦である。
ある日、妻ゲルダが急を要し夫に
女装を頼む。
夫は嫌々女装をするが、
それをきっかけに自分の中の
女性に気づき、夫はどんどん
男性でなくなってしまう…

「性」映画史上最凶の傑作!

「性」映画は、海外では下手なまねをすると
大炎上を起こすため、役者及び監督は
生半可な意識で映画を作ることはできない。
それ故に、「アデル、ブルーは熱い色」
「チョコレート・ドーナツ」
といった
傑作が多数生まれた。
まず外れがないジャンルなのだが、
本作はそんなジャンル映画の中で
群を抜いてすばらしい。
今まで観ていたのはなんだったのかと
思うほどだ。

その理由として、ストーリーの
シリアスさが挙げられる。
「性」映画は大抵、どの作品も
シリアスなのだが
「わたしはロランス」と比較
すれば一目瞭然。
次元が違うキツさだ。

それも、性転換手術を行う
アイナーではなく、その妻
ゲルダに焦点を
置いているところがキツイのだ。

自分が興味本位もあってやってしまった
夫の女装。それにより、夫が夫でなくなる。
しかも、いままで一途だった夫が
女性になるに従い、妻を愛さなくなり
他の男性の元へ行ってしまう。

普通、時が経てば苦しみが和らぐのだが、
ゲルダの罪意識はどんどん重くなっていく。

当時、性同一性障害という言葉が
存在しない為、概念的にも
理解しがたい状況に頭を悩ませられる。
理解者が周りにいないので、
孤独の淵に立たされる。

自分の愛したのは女性だったのか?

こんな過酷な状況でも夫を愛せるのかと
試された妻の死闘が本作で濃密に
描かれている。

どう考えても主演女優であるのだが、
そんな難しい、ってか人類の歴史
始まって指を数えるほどしかいない
ような、想像を絶する役を
演じきったアリシア・ヴィキャンデル
に拍手である。

無論、男性アイナー・ヴェゲネルから
女性リリー・エルベに変わっていく
様子を緻密に演じ分けたエディ・レッドメイン
も凄いが、アリシアのインパクトが
凄まじすぎてかすみます。

配給会社、映倫頑張った!

本作を観ていて驚いた点がある。
町山智浩も心配していたが、
アイナーが自分のペニスを触りながら股に
挟み、自分の女性性に目覚めるシーン。

通常、この手のシーンはモザイクがかかるのだが、
本作は…モザイクなしなのだ!

このシーンをモザイクにすると、
アイナーの性の目覚めがわかりにくくなってしまう
為、配給会社と映倫の計らいにも拍手である。

「わたしはロランス」の1000倍
キツイ内容。R15も納得の壮絶なシーンの
連続なので、これから観る人は
心の準備をよろしくです!

映画ロケ地:ニューハウン

デンマーク

本作を観ると絶対行きたくなるであろう
ニューハウン。ブンブンは大学一年生の夏休みに
行ったが、ここマジでいいぞ!

元々、クリスチャン5世
新港として作った場所で、
建物のカラフルが特徴的である。

写真で見るより数倍きれいなので
コペンハーゲン行く際は是非訪れてください!

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