マジカル・ガール(2014)
MAGICAL GIRL(2014)
監督:カルロス・ベルムト
出演:バルバラ・レニー,
ルシア・ポシャンetc
評価:85点
映画評論家の町山智浩を始め
いろんな映画人が絶賛、
しかし内容について語ろうと
しない。
どうやら、病気の娘のために
お父さんが頑張る
話だが一筋縄ではいかない
ってか感動物語でないとのこと。
そんなへんてこスペイン映画
「マジカル・ガール」を
ヒューマントラストシネマ有楽町
で観てきたぞ~
「マジカル・ガール」あらすじ
白血病で余命わずかな娘アリシアを抱える父親ルイス。
彼は教師をクビになり、求職中だが不況の
スペインではなかなか仕事が見つからず
じり貧である。
そんな彼も娘を喜ばせたいと思う。
アリシアはアニメ「魔法少女ユキコ」のファンで、
その主人公ユキコのコスプレがほしいとのこと。
しかし、そのコスプレはプレミアもので
90万円するのだった…
日本オタクの新しい日本の使い方
本作でデビューしたカルロス・ベルムトは
大の日本オタクでしょっちゅう日本に
来るほど日本が大好きだ。
普通そんな監督が映画を作ったら、
デルトロやタランティーノのように
強烈なオマージュがねじ込められるのだが、
本作には明確なテーマ性を
「日本愛」にねじ込んでいるから、
魔法少女なくして話は成り立たない
という非常に高度な作りをしている。
アニメのグッズという原価はそんなに
高くはなくてもプレミア価値が
ついてしまう。
そんなグッズを裕福でない人
ですら追い求め、
追い込まれていく。
そんな日本人こそ陥りがちな
問題を痛烈に皮肉っている。
そして、ただ単にストレートに
風刺するのではなく。
いくつかの角度で、緻密に
描くことで劇中にミステリアスな
雰囲気が流れ、後半の驚きが
増幅される。
また、複数の角度から描くことで
アランドロン映画のような
心地よいじれったさも濃厚に
演出されている。
正直、予告編を観ただけでは
良い意味でどんな話か分からない。
なんたって、やたらと謎を
ねじ込んでいる上に、
その謎について語ると
ネタバレになってしまうからだ。
男がどうやって90万円を
集めるのか、
昭和風のアニメソング
に併せて堪能できる
上質な作品でした。
こんなレベルの高い作品を
デビュー作で作ってしまった
カルロス・ベルムト監督の
今後の活躍に期待である。
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