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“Ç”【ネタバレ&解説】「ピンクとグレー」NEWS加藤シゲアキの小説×行定勲 実は中島裕翔は…

“Ç”【ネタバレ&解説】「ピンクとグレー」NEWS加藤シゲアキの小説×行定勲 実は中島裕翔は…

ピンクとグレー(2016)

ピンクとグレー
監督:行定勲
出演:中島裕翔、菅田将暉、夏帆、柳楽優弥、マキタスポーツetc

評価:90点

まず、始めに言っておく。
今回紹介する「ピンクとグレー」を
まだ観ていない方は、直ぐさまこのページを
閉じて映画館へ行こう!

本作は、予告編も原作も読まずに行った人こそが
衝撃を受ける、映画好きであろうと無かろうと
別の角度から唖然とさせられる作品で、
その驚きがサイコーの満足感に直結するからである。

そして、観た人の多くが感じたであろう謎?
その謎について今回解説していきます。
ネタバレ全開なので、観た人だけが閲覧
してください。

アイドルの小説を行定勲が
「マルホランド・ドライブ」に…

「ピンクとグレー」は
NEWSの加藤シゲアキがジャニーズ事務所初
小説として書いた同名小説が原作。
ブンブン、残念ながら30ページで挫折したのだが、
映画監督や作家のデビュー作やスランプ復帰作
にありがちな自分の半生物語だ。

この手の話の映画スランプに
陥っている監督が作ってこそ
カタルシスを生み傑作となるのだが、
行定勲…あれっ別にスランプじゃないでしょ!
「つやのよる」や
「円卓 こっこ、ひと夏のイマジン」、
「真夜中の五分前」
と全然スランプ感出ていない
監督が撮るって地雷臭があるのだが…と
思っていたのだがブンブンの予想斜め上で
衝撃的だった。

原作読了の母親と観に行ったところ、
「全然原作と違う…」と語っていた。

そう、なんと行定勲は処女作臭漂う原作を
あのカルト監督デヴィッド・リンチの
「マルホランド・ドライブ」に描き変えて
しまったのだ!

「マルホランド・ドライブ」とは、
ハリウッドに夢を抱きやってきた若手女優が
挫折により抱いた妄想と現実を描いた作品で。
前半部分を妄想、後半部分を現実パートとして
描き分ける斬新な手法でベタな話にも
関わらず、観客を混乱。2度観必須の作品の
烙印を押された映画人なら一度は聞いたことのある
カルト的作品だ。

本作では前半部分を「架空(映画の世界)」、
後半を「現実(死んだ相方を演じる男の話)」
に描き分けている。ジャニーズ・ファンや、
アート系映画に慣れない人が観るとまず
混乱を来す場面だ。

カラーとモノクロの使い分け

「マルホランド・ドライブ」では、
デヴィッド・リンチ十八番の、
現実と虚構の区別なき描写が特徴的であったが、
流石に行定監督は良心的だ。
前半(虚構)をカラー、後半(現実)をモノクロ
にして描いている。これは「オズの魔法使い」
でも使われた手法で退屈で退廃的、嫌な世界を
「モノクロ」(あちらはセピアだが)で描くことで、
カラーパートに「羨望」や「ユートピア」を
見いだすという
高等テクニックである。

モノクロって「過去」を表すんじゃないの?
と思ってしまうとこれまた混乱を来す。
主人公・河田大貴は幼馴染みの白木蓮吾が
死んだことで仕事を得る。
彼の自伝的小説を書き、映画化も決まり、
よりによって白木蓮吾役を自分が務める
ことになる。名声も得た。しかし、残るのは
「罪」の意識、そしてゲスな監督によって
汚されていく白木蓮吾やサリーの思い出。
そんな汚い世界をモノクロで描き、
映画の世界ではあるものの河田大貴
の心の中にある美しい思い出を
カラーにする。

そしてラスト、「ベルリン、天使の詩」のラストシーンさながら
自己の問題を乗り越えた時にカラーに
することで感動、カタルシスを生む非常に
ハイレベルな技巧が凝らされている。

つまり、てっきりHey! Say! JUMP中島裕翔
主人公と思いきや、実は菅田将暉が主役でしたってこと。
それにしても菅田将暉、「演技が上手い人」も
「演技が下手な人」も演じ分けられるブリリアントな
役者さんやな~

バレエのシーン

劇中、白木蓮吾の姉貴が演じるバレエの
題が「ファレノプシス」
(俺の聞き間違いか?)だと語る
シーンがあるのだが、
どう考えてもバレエの演目が「白鳥の湖」。
しかも、ナタリー・ポートマン主演
「ブラック・スワン」のラストそっくり
なのだ!

これから分かることは、白木蓮吾も姉貴も
自分に負けて自殺したということだ。
河田大貴は確かに、彼らに比べ卯建もが
上がらない。そんな彼が突如手に入れた、
白木蓮吾の彼女であるサリーに仕事、
名声。一気に憧れの白木蓮吾の座へと
上り詰めた彼が、罪や過去に押しつぶされ
そうになるが、なんとか自分を乗り越えて
自殺を免れる話なのだ「ピンクとグレー」は。

行定勲監督は、毎回ジャンルや雰囲気を変えて
作品を作るチャレンジャーであるが今回は
彼を知る映画人ですらびっくりな作品でした。

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