第6位:さようなら
監督:深田晃司出演:ブライアリー・ロング、新井浩文、ジェノミノイドF
製作年:2015
アンドロイドが主人公、
平田オリザと今注目株の深田晃司
がコラボしたユニークなSF映画。
東日本大震災直後「希望の国」や
各種ドキュメンタリーと
直接的にしか「震災」を捉えて
いなかった日本だが、
ようやく普遍化させることに成功した。
退廃しきった世界に
「チェルノブイリ」や「移民問題」等
滲ませ、災害のグローバル化を
浮き彫りにさせる手法に唸らされた。
第7位:母と暮らせば
監督:山田洋次出演:吉永小百合、二宮和也
製作年:2015
山田洋次の遺言状ここにあり!
いままでの技術を全力で使い反戦を訴える。
フィルム撮影のこだわり等見所多いが、
なんと言ってもブンブンを唸らせたのは
二宮和也をここまで的確にしかも
丁寧に扱っていたことだ。
幽霊という特殊な役は、
エイリアンや精神病の男等
変な役によく抜擢される彼の十八番。
山田洋次は、二宮和也から300%演技力を
引き出したぞ!
第8位:FOUJITA
監督:小栗康平出演:オダギリジョー、岸部一徳
製作年:2015
「死の棘」で冷たく、エキゾチックな
絵を魅せた小栗康平が
フランスで活躍した。
藤田嗣治の人生に迫る。
絵画のような、
観客を突き放し計算されつくした
構図に煌めくオダギリジョーの
堪能なフランス語。
Don’t think,feelとは言うものの、
これはTHINKである。
嗣治の怪奇な行為の奥底に見える、
サバイバル能力。
戦時中だろうとも、アートに全身全霊で
取り組む巨匠から滲め出てくる思想を
スルメのように味わった。
第9位:ハッピーアワー
監督:濱口竜介出演:田中幸恵、菊池葉月、三原麻衣子、川村りら
製作年:2015
5時間を越える超大作。
主演4人は全くの演技素人にも関わらず
ロカルノ国際映画祭を制したのも
納得の逸品だ。
正直、前半素人臭さがぬぐい去れない
違和感のある演技が展開される。
しかし、長ーい飲み会のシーンから
彼女たちの演技が豹変する。
一つの作品で役者が凄まじい
進化を遂げるのを観られた作品だ。
第10位:ローリング
監督:冨永昌敬出演:三浦貴大、柳英里紗
製作年:2015
不祥事を起こし、学校を追い出された先生がその後どうなったか?
気になりますね~。本作は、女子生徒を盗撮し学校をクビになった教師に
教え子が10年ぶりに遭う。とにかく、みんなクズでゲスで退廃に満ちあふれて
いるのだが、絶妙なギャグ捌きで独特な風格を魅せてくれた。
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