007/スペクター(007/SPECTRE)
監督:サム・メンデス
出演:ダニエル・クレイグ、クリストフ・ヴァルツ、
レア・セドゥ、レイフ・ファインズ、モニカ・ベルッチetc
評価:75点
ボンドガールがまさかのおばあちゃん(ジュディ・デンチ)、
海から裸でやってくるのが女ではなくジェームズ・ボンド、
定番の銃口オープニングはラスト、
極めつけはジェームズ・ボンドがシリーズ史上最も
意識低い系男になっているでも異常なまでに洗練された
脚本だった異色作「007/スカイフォール」。
あれから3年、あのサム・メンデス監督が
「チャーリーとチョコレート工場」の舞台を
手がけるから無理ゲーと言っていたのに、
気合いを出して再び監督を努め、
完全に原点回帰、それこそショーン・コネリーや
ロジャー・ムーアを思わせる作品へと
寄せた作品「007/スペクター」を
日劇の先行上映で観てきました。
よっぽど、ボンド映画を作りたかったのか
サム・メンデス監督は
ギネスブックに載った、
火薬量最大の爆発シーンよりも
多くの魅せどころを仕組んでいたぞ!
↓爆発シーンの撮影技法
脚本の原点は「007/消されたライセンス」
とにかく、本作では「007/スカイフォール」で吹っ切れたベクトルを総て原点に向けさせている。
今回のボンドは異常にチャラい。
葬式にいた未亡人だろうと、
雪山診療所の医者だろうと
人や場所を選ばず口説きまくる、
激しく迫る。
まあ、レア・セドゥなんて美女が
現れたら誰でも惚れ込んじゃうよねw
レア・セドゥって「アデル、ブルーは熱い色」で
青髪の女の子を演じてましたね↓
アヴァンタイトルでのアクションも
いつもとは違いギャグを入れてくる。
秘密兵器搭載のボンドカーも
ちゃんと登場する。
しかしながら、ダニエル・クレイグ
ボンドもの特有のシリアス路線は
壊さない。
恐らく、サム・メンデスが最も意識的に
ストーリー面で参考にしたのが
ティモシー・ダルトンが最後に
ボンドを演じた「007/消されたライセンス」だろう。
「007/消されたライセンス」の
シリーズ最凶だと言われている
残酷描写、本作でも意識的に描いている。
当のボンドも職務停止中、
MやCから監視されている状況下で
宿敵スペクターを追っている。
ダニエル・クレイグボンドとお別れ
本作を観て感じたことは、
ダニエル・クレイグが最後のボンド映画と
なることを予測し最大限の有終の美を
サム・メンデスは飾らせたのではということだ。
全編に立ちこめる、ダニエル・クレイグボンド
とのお別れムード。それこそ追悼ムードだ。
しかしながらも、最後の仕事はしっかり
こなす。自分の過去とも向き合い、
そしてダニエル・クレイグ自身の
新たな旅立ちと言える滑走路を用意した。
何故、あそこまでボンドは積極的に女に
迫るのか?ラストのカットで分かった時、
泣けてきた。もはや、数秒のギネスブックに
載った爆発よりも何よりもステキなシーンだ。
サム・メンデスはつくづくマジで007シリーズが
好きで相当研究したことだろう。
「ダークナイト ライジング」級に
超高速移動するボンドの行動力や
あまりにも勘が鋭すぎる箇所など、
「007/スカイフォール」に比べると
脚本の粗さが目立つが、これは元々のボンド映画だ。
よって、これから観る人は是非とも
ボンド映画のどれかを、最低でも
「007/スカイフォール」を観て
挑みましょう!
そして、次のボンドが誰になるか
楽しみにしよう!
↓サム・スミスの主題歌「Writing’s On The Wall」
↓余談だが以前ハイネケンとコラボしたCM
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